手ぶら登園保育コラム

保育園の運営に役立つ情報を発信

埼玉県川島町公立園での手ぶら登園の事例〜保護者支援の取り組みの一環として~

2022年に町制施行50周年を迎える、埼玉県川島町。川島町では、どの年齢においても平等に子育て支援がいきわたるように取り組みを行っています。

今回、埼玉県内の公立保育施設で初の取り組みになる、おむつの定額制サービス「手ぶら登園」の導入を2022年4月から開始することになりました。同町の子育て支援の考え方、そして『手ぶら登園』導入の背景を、子育て支援課 小島さんに聞いていきます。

川島町の子育て施策の特徴や最近の取り組みを教えてください。

2022年度から手ぶら登園の他にも、川島町在住の0〜2歳児に対して、子育て支援用品を支給する事業を新たに始めました。これは令和元年の10月から始まった3歳以上の保育料が無償化になることに伴い、無償化の対象外になった0〜2歳児の保護者に不公平感が生まれるのではないかと考え、始めた事業です。

この事業では、紙おむつやおしりふき、離乳食に加え、トイレトレーニング用のおむつ等、2歳までに必要な様々なものを商品としてカタログに取り揃え、支給をしています。他自治体だと新生児のみが対象のところが多いかもしれませんね。

手ぶら登園を知ったきっかけについて教えてください。

「実証実験をはじめました」という他自治体の記事を、自治体情報誌で何度か拝見していました。「川島町でも利用することができないか」となり、手ぶら登園へ連絡をとらせていただいた次第です。

元々保育料無償化の対象外になった子どもたちへの支援については、ずっと話に上がっていたため、今回年齢的にも丁度良く、保護者の負担が減るのであれば導入してもいいのではないかという話になりました。

手ぶら登園の導入に至った決め手を教えてください。

手ぶら登園導入の決め手は、他自治体での導入実績があったためです。サービスに関して魅力的だと思ったのは、子どもの成長に合わせてこまめにサイズ変更ができる、という点です。

例えば、安いタイミングでおむつを買いだめしてしまうと、他の日用品であれば使いきれても、おむつに関しては、特に一人っ子だと無駄になってしまうことも多いと思うんです。そういう無駄がなくなるのは、良いのかなと思いました。

また、町としては費用の負担が全くないこと、事務作業の負担がほとんどないことは魅力に感じましたね。

子育て支援課内でどのように導入を進めたか教えてください。

問い合わせをして実際に商談をする中で、手ぶら登園側から実証実験の提案があり、保育施設側に手ぶら登園の話をさせてもらいました。

実際に2か月間の実証実験を行い、保護者にアンケートを実施しました。その結果、非常に良い声をたくさんいただいたため、本格的に導入をすることが決定しました。

手ぶら登園を進める上でハードルや懸念等はありましたか?

私たちとしては特にハードルはなかったのですが、やはり保育施設側では「どのように運用したらいいんだろう」という不安が最初はあったみたいですね。

なので私からは、他の保育施設の事例を紹介した上で「保育施設ごとにやりやすい形でやってみてね」というお話をさせていただきました。

保育士や保護者の反応を教えて下さい。

導入前の実証実験後の保護者アンケートでは、非常に満足度の高い結果が得られました。紙おむつ・おしりふきの準備・持参の必要がなくなった点に関しては、全ての人が「満足」と答え、4月以降も継続したいという人はおよそ9割にも上りました。実際に導入してからも継続利用している保護者の方が多いので、喜んでくださっていると嬉しいですね。

保育士に関しては、実は過去に連絡手段の効率化のために別ツールを使うことを検討したり、連絡帳の電子化を検討したりしましたが、「難しい」という反発があり、上手くいかなかったことがありました。

今回の手ぶら登園の導入でも、反発が起こることを懸念していましたが、おむつ発注数が自動で計算されるなど、あまり手をかけずに運用できる様々な工夫があるおかげか、「難しい」という意見は出ませんでした。

手ぶら登園を導入することで期待していることがあれば教えてください。

新しいサービスを入れて保育施設が成功体験を積むことで、さらに良い方向に変わっていければ良いなと思っています。

まとめ

今回は、子育て支援課の小島さんにインタビューを実施しました。どの年齢においても平等に子育て支援を提供しようと、取り組みを行う川島町。『手ぶら登園』の導入をきっかけに、保育施設での子育て支援が進むことを期待します。

保護者・保育士の「時間と気持ちのゆとり」を創出するために、『手ぶら登園』のような支援サービスを前向きにご検討いただけたら幸いです。

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