保育ICTシステムとは?導入するメリットを詳しく解説!

保育士は子どもの成長を援助するほか事務作業や行事の準備などもあり、常に仕事量が多い状態にあります。そこで活躍するのが保育ICTシステムです。
保育ICTシステムを導入することで、さまざまな業務が手軽にできるようになるため保育士の負担軽減が可能に。
今回は保育ICTシステムについて、サービス内容や導入するメリットを解説していきます。
保育ICTシステムとは?

保育ICTシステムとは、パソコンやタブレット端末などを利用した保育業務支援システムのことです。
保育士の日々の業務を軽減できるほか、アプリを通した書類作成や保護者との連絡手段としても活用できるため、導入を検討する保育園が増えてきています。
保育ICTシステムの導入で効率化できる保育業務
保育ICTシステムを導入すると、園児の登降園時間の管理や職員のシフト作成といった事務作業負担が減らせます。
具体的な内容をみていきましょう。
園児の登降園管理
園児の登降園時間を紙に記載し管理している園も多いのではないでしょうか。
記載漏れや、時計によっては正確な時間を把握できない場合もありますね。
ICT化することで、正確な時間を自動で記録してくれるので、登園・降園の慌ただしい時間でも保護者とコミュニケーションがとれるようになります。
【特徴】
- 登園・降園時間を自動で入力
- リアルタイムで正確な時間を記録
- タッチパネルやICカードを使用するため紙に記録する作業が不要
- 延長保育の場合も自動で計算してくれるため毎月の計算が不要
延長保育の計算は手間がかかるもの。
毎月の計算が不要になれば作業負担もグッと減り、助かりますね。
職員のシフト作成
職員のシフト作成をシステム上で行えます。
シフト表は複雑な作業のひとつといっても過言ではありません。
正社員やパート、早朝勤務のみなど、働き方によって考える必要があるため骨の折れる作業です。
何度も何度も練り直して頭を悩ませている保育士も多いでしょう。
ICT化すると、簡単に修正・編集できるようになるため、紙に書いては消して…といった面倒な作業がなくなります。
【特徴】
- 修正・編集が手軽
- 園の運営に合わせた人員配置ルールを設定すると自動で作成
- 一覧表で確認できる
また、シフト作成だけでなく、職員の勤怠管理ができるシステムもあるため、職員のオーバーワーク防止にもつながるでしょう。
保育日誌や指導案の作成
保育日誌や指導案もシステム上で作成できます。
保育日誌など、その日によって内容が変わるものに関しては、できることが限られますが、システム上で管理されるので紙やファイルを持ち歩く必要がなく楽です。
【特徴】
- 指導計画を一覧で確認することも可能
- 日付や出欠人数などの項目が自動反映される
過去の計画をテンプレートとして新しい計画を作成できるため、時短にもつながりますね。
保育料の計算
ICTシステムは、利用項目に応じた自動集計が可能です。
利用項目にはミルク代やおむつ代、絵本代などが含まれます。
園児ごと、月ごとに金額が変わる計算は時間がかかり大きな負担です。
施設によっては、無償化により保育料の請求がなくなる場合もありますが、遠足のバス代など月ごとにかかる費用が異なる場合もありますよね。
【特徴】
- 利用項目に応じた自動集計・自動計算が可能
- 請求書・領収書の作成可能
手作業でしていた請求書などの作成も、データ化した保育料をもとに自動で作成できるので、時短になるだけでなく、集計ミスも防げるようになるでしょう。
保育ICTシステムを導入するメリット
保育ICTシステムの導入することで得られるメリットには、次のようなものが挙げられます。
保育の質の向上ができる
保育の質の向上が期待できるメリットがあります。
ICTシステムの導入によって作業の効率が上がれば、保育士の負担はおのずと軽減され、その分子どもと向き合える時間が増加。
慌ただしさが落ち着くことで、保育士は気持ちにゆとりをもって園児と関われるようになります。
また、保育環境の記録もデータで確認できるためクラス担任同士が共有しやすく、質の高い保育の提供が可能になるでしょう。
コスト削減につながる
保育日誌や園だよりがペーパーレス化されるので、紙や印刷代がかからなくなりコスト削減になります。
また、業務が効率化できれば、保育士の作業負担は減りますね。
作業負担が減るということは、残業時間を減らせるということ。
結果的に人件費のコスト削減にもつながるでしょう。
保育士の人手不足対策になる
ICT化により業務の負担が軽減することで、保育士の離職率を下げられる可能性があります。
多くの保育士の退職理由に「仕事量の多さ」や「労働時間が長い」ことが挙げられています。
こうした労働環境はICTシステムを活用することで改善可能です。
仕事量が減った、残業時間がなくなったとなれば、離職を踏みとどまる保育士もでてくるかもしれません。
結果的に、人手不足対策が見込めるでしょう。
保護者にとっても利便性が高い
保育士だけでなく保護者にとっても利便性が高い点は大きなメリットですね。
スマートフォンからいつでもどこでも情報を受け取れるので便利です。
ICT化することで、保護者には次のような利点があります。
【例】
- 欠席・遅刻・早退・保育時間の変更などを電話ではなくアプリでできる
- 欠席しても情報をリアルタイムで受け取ることができる
- 配布物の損失がなくなりお知らせが確実に届く
- 延長保育の予約もアプリで可能
- 災害や不審者情報などの緊急連絡も早く受け取れる
場所を選ばないことや、情報をいつでも共有できることは、保護者にとって利便性が高いといえるでしょう。
保育ICTシステムを選ぶ際のポイント

保育ICTシステムを導入するなら効果的に使用していきたいですよね。
選ぶ際のポイントを紹介します。
目的で考える
どのような課題を解決したいのか、目的を明確にしてから選びましょう。
便利そうだから、機能が豊富にあるからと次々にシステムを導入すると、かえって負担が増える可能性があります。
負担軽減のために導入したはずが、負担が増えては本末転倒ですね。
目的に必要な機能が備わっているシステム選びをしましょう。
たとえば、事務作業の効率化を目的としたなら、記録の共有のしやすさや使い勝手のいいシステム選びを。
保護者とのコミュニケーションを目的とするなら、保護者と共有できる機能のあるシステムを選ぶ必要があります。
誰でも操作しやすいものを選ぶ
ICTシステムは、保育士だけでなく保護者にとっても操作しやすいものを選びましょう。
保護者に扱いにくいシステムを選ぶと、システム導入後も電話や紙媒体でのやりとりが続き、ICTシステムの効果が発揮できない可能性もあります。
パソコンがうまく扱えない保護者にも使いやすいものを選ぶことが重要です。
タブレットやスマホに対応しているタイプのものは、場所を選ばず操作できるので、使い勝手がよさそうですね。
サポート体制もチェックする
サポート体制をチェックするのも大事なポイントです。
新しいシステム導入は、操作方法などがわからず慣れるまで保育士の負担となります。
「こんなとき、どう操作したらいいの?」と思うこともでてくるでしょう。
そのため、システム導入時だけでなく導入後のサポート体制も整っているサービスを選ぶと安心です。
【サポートの種類例】
- 機器のセットアップをしてくれる
- 操作方法の動画説明がある
- 必要に応じて訪問対応してくれる
- 保護者説明の資料を提供してくれる
保育ICTシステム導入の際の注意点
導入すること自体にデメリットはありません。
しかし、うまく活用しきれなかったり、快く思わない保護者がいたりするケースも…。
いくつかの注意点を紹介します。
ネット環境が悪いと効率が下がる
パソコン環境は整っていますか?
園のインターネット環境が不十分だとせっかくのシステムの機能が半減してしまう可能性があります。
パソコンのスペックが低い、インターネット回線が遅いといった場合、読み込みに時間がかかったり、データ送信がうまくいかなかったりして効率悪化を招く事態に…。
保育園システムをうまく活用するためにも、通信環境を整えておくことが大切です。
保護者の理解が得られない
個人情報の観点や、自身の感情から快く思わない保護者もいます。
たとえば「手書きのクラスだよりが温かみがあって好き」と感じる人や「操作が難しそうだから私はしたくないな」と苦手意識をもっている人もいますね。
保護者の理解が得られないまま強行して導入しても、効果的に活用できません。
保護者には事前に説明をして、理解してもらうようにしましょう。
必要であれば、システム会社の担当者にも協力してもらうといいですね。
おすすめの保育ICTサービスを9つ紹介
おすすめの保育ICTシステムを9つ紹介しています。それぞれのシステムの特徴や金額も記載しているので、園にあったシステムを選んで、導入を検討してみて下さい。
Hoisys(ホイシス)

サービス名 | Hoisys(ホイシス) |
運営会社 | 保育ICT株式会社 |
特徴 | ・現場目線で、使い勝手の良さにこだわったシステム ・追加料金がかからない |
ひと月の金額 | 5,000円~ |
その他かかる費用 | 初期費用15,000円~ |
>>詳しくはこちら
ルクミー

サービス名 | ルクミー |
運営会社 | ユニファ株式会社 |
特徴 | ・2021年7月に大幅にリニューアル ・10,000件以上の導入実績 |
ひと月の金額 | 5,000円~ |
その他かかる費用 | 詳細は要問合せ |
>>詳しくはこちら
コドモン

サービス名 | コドモン |
運営会社 | 株式会社コドモン |
特徴 | ・説明書不要のシンプルな使い勝手 ・必要な機能だけを選んで導入可能 ・各種補助金対応 |
ひと月の金額 | 5,000円~ |
その他かかる費用 | オプションは別料金 |
>>詳しくはこちら
LeySerKids(レーザーキッズ)

サービス名 | LeySerKids(レーザーキッズ) |
運営会社 | グレープシティ株式会社 |
特徴 | ・アプリだけで一通りの業務が完結する ・「園務改善のためのICT化支援」補助金対応 |
ひと月の金額 | 20,000円~ |
その他かかる費用 | 要問合せ |
>>詳しくはこちら
きっずノート

サービス名 | きっずノート |
運営会社 | 有限会社ゼンポ |
特徴 | ・63,000以上の施設で利用されている圧倒的な実績 ・必要な機能だけを選択して導入可能 ・クラウド上での情報管理のためセキュリティの面で安心 |
ひと月の金額 | 5,000円(年間一括60,000円) |
その他かかる費用 | 要問合せ |
>>詳しくはこちら
CCS PRO

サービス名 | CCS PRO |
運営会社 | 株式会社CHaiLD(チャイルド) |
特徴 | ・120以上の豊富な機能 ・840以上の施設のからの現場の声を反映した機能を搭載 |
ひと月の金額 | 4,900円~(エリートプラン) 13,000円~(ベーシックプラン) 23,000円~(スタンダードプラン) |
その他かかる費用 | 要問合せ |
>>詳しくはこちら
WEL-KIDS(ウェルキッズ)

サービス名 | WEL-KIDS(ウェルキッズ) |
運営会社 | ニューアーチデザイニング株式会社 |
特徴 | ・200園以上での導入実績 ・各種補助金対応 |
ひと月の金額 | 要問合せ |
その他かかる費用 | 要問合せ |
>>詳しくはこちら
キッズプラス

サービス名 | キッズプラス |
運営会社 | 株式会社APProg |
特徴 | ・複数人同時に登園の打刻が可能なため、大きい園でも利用可能 ・各種補助金対応 |
ひと月の金額 | 2,000円~ |
その他かかる費用 | オプションは別料金 |
>>詳しくはこちら
園-SiEN

サービス名 | 園-SiEN |
運営会社 | 株式会社サーヴ |
特徴 | ・連絡機能は2段階認証のためセキュリティの面で安心 ・補助金対応 |
ひと月の金額 | 0円 |
その他かかる費用 | 900,000円~(買い切り) |
>>詳しくはこちら
キッズビュー

サービス名 | キッズビュー |
運営会社 | 日本ソフト開発株式会社 |
特徴 | ・万全のセキュリティ体制 ・トライアル版の無償提供あり |
ひと月の金額 | 7,000円~ |
その他かかる費用 | 要問合せ |
>>詳しくはこちら
保育ICTシステムと連携して使える「手ぶら登園」

手ぶら登園は、煩雑なおむつ管理を効率化する月額定額制のおむつお届けサービスです。
「おむつ1枚1枚に名前を書く」、「園児ごとにおむつを管理する」といった、保護者・保育士が煩わしく感じている作業をなくし、忙しい毎日にゆとりを作ります。
保育ICTシステムで有名なコドモン・Hoisysとシステム連携を行っているため、いずれかを既に導入済みの園なら手ぶら登園もスムーズにご利用いただけます。もちろん、手ぶら登園のみを利用することも可能です。
手ぶら登園について気になる方はこちらから詳細をご確認ください。
まとめ
保育ICT化を行うことで、保育士の負担軽減や労働環境の改善ができるようになります。
保育士の負担が減れば、より質の高い保育を提供できるようになるでしょう。
また、労働環境がよくなると離職する保育士が減る可能性もありますね。
職員にとっても保育園にとっても、保護者にとっても、メリットのある保育ICT化。
この機会に、ICTシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
おむつの管理が楽になる手ぶら登園

おむつのサブスク手ぶら登園( https://tebura-touen.com/facility )とは、保護者も保育士も嬉しいおむつの定額サービスです。手ぶら登園は、2020年日本サブスクリプションビジネス大賞を受賞し、今では導入施設数が1,000施設(2021年6月時点)を突破しています。
保育園に直接おむつが届くため、保護者はおむつを持ってくる必要がなくなり、保育士は園児ごとにおむつ管理をする必要がなくなります。