手ぶら登園保育コラム

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1年目の保育士を上手く戦力化するには?40人の園長に聞いてみました。

1年目の保育士を上手く戦力化するには?40人の園長に聞いてみました。

人材不足が嘆かれる保育業界。せっかく入ってきてくれた新人保育士さんには、できるだけ長く働いてもらいたいですよね。
しかし、慣れない仕事への不安やストレスから早期に辞めてしまう方も少なくありません。
保育士が定着しない、なかなか仕事を覚えてくれない…そんな悩みを抱える保育園も多いのではないでしょうか。

今回は、 新卒の保育士1年目の先生が職場に馴染み、保育士としてすくすくと一人前に成長していくためにどのような工夫を行っているのか、40人の園長先生に聞いてみました。

アンケート結果を類型化し、代表的な意見と共にランキング形式でご紹介します。
※アンケートの回答内容を掲載するにあたり、文意を損なわない範囲で修正を加えています。

1位:声かけをしてコミュニケーションをとる

最も多かったのは、『声かけをしてコミュニケーションをとる』という意見です。

「分からないことがあったら聞いて」と伝えていても、新人のうちは気後れして自分から声をかけれないものです。その結果、ミスを繰り返したり、なかなか仕事が覚えられないといった状況に陥ることもあるでしょう。

どの先輩にも質問しやすいよう職員全体でこまめな声かけを行い、必要に応じてサポートしてあげるといった接し方は、多くの園で意識されています。

周りの職員の動きを見てメモをとる、わからないことは積極的に聞くよう、普段から声をかけています。周りの職員にも新卒の子には多めに声かけをするよう伝えています。

話しやすい雰囲気づくりを心掛け、こちらから話題を振ったり、些細なことでも真摯に受け止めるようにしています。また、良い面を認め、前向きに頑張れるように見守っています。

先輩保育士だけでなく、園長自身からも感謝の言葉を伝えています。また困っていることがないかなど聞き取る時間を設け、自分の気持ちや考えを発しやすい雰囲気づくりを心掛けています。

何がわからないのかがわかっていないと思うので、聞かれるのを待つのではなく、こちらから聞いてあげる、歩み寄る姿勢が大事だと思います。夢を持って保育士になったと思うので、その夢を壊さないよう、自信が持てる声かけをしていきたいです。

朝の子どもが来るまでの少しの時間やお昼など、時間がある時に「何かわからないことありますか?」と聞いたり、みんなで声かけをするようにしています。

2位:先輩保育士と一緒に仕事を進めながら覚えてもらう

口頭で説明したり、マニュアルを渡しただけで業務を覚えられる人はほとんどいません。
保育士は子どもや保護者など人と接することが多い仕事です。一人ひとりに寄り添った対応が必要となるので、慣れないうちは戸惑うことばかりでしょう。

そのため、まずは教育担当として先輩保育士をつけ、一緒に仕事を進めながら仕事に慣れてもらいたいと考えている園が多いようです。

苦手意識を持ちがちな電話対応・保護者対応については、「しっかりと基礎を教える」「はじめのうちは先輩保育士が側につく」「全ての業務に慣れてから任せる」などの意見がありました。

小規模保育園は職員の数が少ないため、経験年数に関わらず1人の戦力として動いていただかないと保育が回りません。そのためにしてきた工夫は3つあります。
①ベテラン職員と同じクラスに配置する
②保護者対応や電話対応は最初の数か月間は先輩保育士が様子を見て、「なぜそのような伝え方をするのか?」まで丁寧に伝える
③楽しく働ける雰囲気づくりを心掛ける

自園では、副主任1人が育成の担当をしています。初めの1ヶ月は保育をしながら園の雰囲気や園児に慣れていただき、その後は書類作成や保護者対応を、副主任と一緒に行いながら少しずつ覚えていただきます。

ちょっとしたことでも聞きやすいように、こちらから声をかけるようにしたり、経験の近い2年目の先生に育成担当をお願いしています。やりたいことができるように、壁の飾付けなどは担当の月を決めて作ってもらったりしています。

何でも聞ける保育士を1人、育成担当としてつけています。また、保育を主とするリーダーの役目を、先輩から丁寧に業務を引き継いだ上で早いうちから担当してもらっています。良かったところは具体的に伝えるようにしています。

どんな状況でも相手の立場に立って考えるように伝え、自分が見本になれるよう動きで見せます。また、「自分がされて嬉しいことを考え、それを相手(保育士や子ども、保護者全て)にしてあげられるようにしようね」と話しています。

3位:良かったところを褒める/相手を傷つけずに指摘する

社会人として働きはじめた頃、「自分はもっとできると思っていた…」と無力感に苛まれる経験をした方も多いのではないでしょうか。まだ自信を持てない時期に厳しい口調で注意ばかりしても、成長には繋がりにくいです。

少しでも早く成長してもらうためには”自信をつけさせる”ことが大切。
良いところは評価し、注意する時は具体的な理由を添えて、分かりやすく丁寧に伝えるよう心掛けている、という意見を複数頂きました。

何か注意をする時は良かった部分を言ったうえで、「もう少しこうなるともっといい」と、プライドを傷つけない言い回しをするよう心掛けています。

頑張っている時には、「本当にあなたがいてくれて助かっているよ!」と伝えるようにしています。注意する時には”なぜなのか”という理由を必ず伝えて、自分自身で次から気をつけようと思ってもらえるような話し方にしています。

褒めることを中心に小まめに声をかけ、どの先生にも聞きやすい雰囲気を作っています。注意などは落ち着いた時間に、否定の言葉ではなく、ゆっくりとわかりやすく教えるという気持ちで伝えています。

「わからないことがわからない」といった世代でもあるので、具体的に頭の中でイメージできるように伝えることを心掛けています。また、些細なことでも褒めて、認めていくようにしています。保育については子どもと一緒にいる環境に慣れていく中で、必要に応じて指導をしています。

こまめな面談、目標設定、振り返りを繰り返し、できたところは褒め、そうでないところは励ましながら自信をつけてもらえるように心掛けています。また、新人さんも園の大事な仲間であることを意識して職員に発信し、園全体で受け入れていく雰囲気を大切にしています。(日々の会議は全員が発言できるように組み立てています)

4位:仕事(保育)が楽しいと思ってもらう

1年目のうちは大変なことも多いかもしれませんが、せっかく保育士になったからには”保育を楽しい”と思ってもらいたいものです。

また、「職場の雰囲気が良い」「この仕事が楽しい」と感じてもらうことで、退職せずにずっと働いてくれる確率も上がります。保育士の定着率が高く、入れ替わりの少ない園は、子どもや保護者にとっても安心材料となるでしょう。

より良い保育園を目指すためにも、働きやすい環境を意識した園づくりを行っていきたいですね。

わからないことがあればすぐに園長や保育士に聞けるような、聞きやすい環境づくりを心掛けています。なにより職場が楽しいと思ってもらえるよう、相手の気持ちに寄り添いながらコミュニケーションを取るようにしています。

休憩時間など仕事以外の話でも楽しい雰囲気を作り、普段からコミュニケーションを取り、いざという時に話しやすい関係を作っておくようにしています。

1年目はとにかく保育が楽しい、この仕事が楽しい!と思えるよう、目の前の子どもたちと夢中で関わってもらうことを意識して行ってもらってます。

1日の流れ(デイリー)を把握し、少しでも早く、保育者の動きに慣れてもらいます。また、園長や同僚との関係性を大切にし、保育が楽しいと思える毎日にしてあげたいです。

その他の意見

これまで紹介した以外にも様々な意見を頂きました。
その他の意見について、いくつかご紹介させていただきます。

ヒヤリハットノートを作り、他の保育士の気付きを共有するようにしています。

社会人としてのルール(遅刻や欠勤、電話対応、挨拶、服装など)を会議で話すようにしています。

まずは、子どもたちと毎日思う存分走り回って、笑いあって、エネルギーをぶつけ合いながら「子ども理解」を深めてもらえるようにします。チームで保育にあたり、先輩保育士が不備なところを支えるようにしています。

失敗は恥ずかしいことではないことを伝え、失敗をおそれずなんでも何回でも挑戦するよう伝えています。

こまめに声をかけるようにしています。毎日保育の振り返りを皆で行い、良い点や改善点を共有します。新卒の保育士も上手くいかなかったことや、困っていることを言えるようにし、皆で改善方法を検討するようにしています。

良いこともそうでないことも、とりあえず受け止めるようにしています。その後で、どうしてそのようになってしまったのかの確認と、必要であればアドバイスをお伝えしています。

全職員で一緒に基本的なマニュアルや保育の流れなどを再確認しています。

まとめ

今回のアンケートでは園長先生が実際に意識したり、工夫したりしている点について、たくさんの意見を頂きました。指導方法はもちろん、コミュニケーションの取り方や園の雰囲気づくり、保育への向き合い方など、どの園も試行錯誤しながら新人教育を行っていることが伝わります。

「ただ仕事を教えるだけ」では、なかなか成長に繋がりません。人間関係や職場の雰囲気、心理状況なども考慮した適切な指導を行うことが効果的といえるでしょう。

保育士として成長しながら、長く楽しく働いてもらえるような環境を整えていきたいですね。

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