自分より年上の職員を上手くマネジメントするためには?園長先生に聞いてみました。
保育士の年齢層は様々。”20~60代の幅広い年齢層の保育士が働いている”という保育園も少なくありません。
時には、自分よりも年上の保育士が部下として入ってくることもあるでしょう。
保育業界に限らず、年上の職員へのマネジメントは多くの人が頭を抱える悩みの種です。上から目線で指示すると反感を買う可能性もあるので、慎重に接するよう心がけているという方も多いのではないでしょうか。
今回は、 自分より年上の先生を上手にマネジメントするために、工夫したり、意識していることについて、40人の園長先生に聞いてみました。
アンケート結果を類型化し、代表的な意見と共にランキング形式でご紹介します。
※アンケートの回答内容を掲載するにあたり、文意を損なわない範囲で修正を加えています。
1位:感謝や労いの言葉をかける
年齢にかかわらず、感謝や労いの言葉をかけることはとても大切です。
適切なタイミングで感謝の気持ちを伝えることで、相手のモチベーションを上げるとともに、距離感をぐっと縮めることができるでしょう。
「やって当然」ではなく、きちんと「ありがとう」の気持ちを伝える。日頃の些細な積み重ねにより、信頼関係は築かれていきます。
感謝の気持ちを忘れずに伝えています。また、色々な保育の知識を教えてもらい、尊敬の気持ちをもって接しながら、今の園での保育のやり方をやわらかく伝えるようにしています。
小さいことでも感謝を伝えています。とにかく日々「ありがとうの気持ち」が相手に伝わるように心がけています。また、相手の話をよく聞いて理解することに努めています。話しやすい・伝えやすい雰囲気づくりを大切にしています。
人生経験や保育経験年数が多いと、保育の引き出しやお子様の見方など幅が広く、私たちも学ぶことが多くあります。雑用をしてくださる感謝の気持ちや、職員みんなが頼りにしているという気持ちを伝え、仕事へのやりがいや楽しさを持ってもらうようにしています。
保育を認めた上で、その人にしかできないことを探しつつ、一緒に保育をしていくために必要な存在であることや、日々の感謝の気持ちを伝えています。
人生の先輩にあたる方なので、社員・パート関係なく敬意をもち、ちょっとしたことでも感謝の気持ちを伝えるようにしています。保育において、今の時代に求められる保育のズレがあった場合は、意図なども丁寧にお伝えし、理解していただけるように努めています。
2位:言葉遣いや話し方、伝え方に気を付けている
立場上自分の方が上になるとはいえ、相手は年上。人生の先輩にあたるので、敬意を払って接することが礼儀です。
年下や年齢が近い人と同じような距離感で話すと、相手を不快にさせてしまうこともあるので、言葉遣いには特に気を付けておきたいですね。
また、一緒に働く中で注意やアドバイスを伝えることもあるでしょう。年上の方に意見するのは気後れしてしまいますが、相手の性格なども考慮しながら柔らかく伝えるようにしている、と考えている方が多いようです。
「最近の保育ってこうらしいですね」など、自分も勉強中で知りませんでしたというような口調で、新しい保育情報を伝えるようにしています。
経験豊富な方なので、意見や見方を参考にさせていただいています。また、その話の中で自園の雰囲気をそれとなく伝えるなど、角が立たないような伝え方を意識しています。
年上の先生のことをよく知る努力をした上で、具体的に良いところをお伝えして力を貸してもらえるよう頼ったりしています。また、反対に注意したいことや気づいて欲しいことがあれば、全員に同じように伝えながらご本人にも伝わるようにするなど配慮しています。会社の方針、保育目標、園長の保育観を最初にしっかりと伝えておくことでお互い働きやすくしています。
人生の先輩という事で、「助けて欲しい」「頼りにしている」ということを、日頃からさりげなく伝えるようにしています。また、お互いの考えを理解しながら「こう思うけどどうですか?」「こうして頂けると助かります」など、一方的な言い方にならないような伝え方をしています。
朝の子どもが来るまでの少しの時間やお昼など、時間がある時に「何かわからないことありますか?」と聞いたり、みんなで声かけをするようにしています。
3位:日頃からコミュニケーションをとる
やはりコミュニケーションは必ず意識しているポイントですよね。
相手のことをよりしっかりと理解するためにも、日々のコミュニケーションは欠かせないものです。
また、経験豊富なベテラン保育士ともなると豊富な知見を持っているので、こちら側が教えてもらうこともたくさんあるでしょう。
信頼関係を築くことで働きやすくなるのはもちろん、相談したり、アドバイスをもらうことで、より質の高い保育を行えるようになるかもしれません。
コミュニケーションは常にとって、意見を聞いています。マネジメントというより、貴重な意見をいつももらっています。
園で活かせそうなことは積極的に取り入れ、相手の経験を尊重しながらも、自分の考えや希望も聞いてもらえるようにします。とにかくコミュニケーションをとることを意識しています。
まずは、信頼関係を築くところからはじめました。とことん話をする中で、感謝したり、相談することが増えていきました。
必ず朝の挨拶を交わし、表情や体調を確認します。必要だと感じた時は更に声をかけます。自分より年上の職員は1人いますが、明るくて話が好きな方なので、若い職員たちにどんどん話しかけてコミュニケーションを取っています。自分が後からこの園に来たことを理解し、この園の流れを崩さないようにしているので、若い職員とも良い関係だと思います。私は見守って、聞き役になる事が多いです。
伝え方や言葉に気を付け、普段から声をかけてコミュニケーションをとるように心掛けています。
4位:相手の意見や考えをしっかりと理解する
保育に関する意見は人それぞれです。考え方が合わないことは珍しくなく、経験豊富な方が相手だとより意見が衝突してしまうこともあるでしょう。
そんなトラブルを避けるためにも、まずは相互理解が必要不可欠です。
一方的にきっぱりと否定するのではなく、相手の考えを受け入れてから自分の要望を伝える、というように「相手の考えを理解する・尊重する」という意見が多く寄せられました。
まずはその先生の意見を聞き、同調しながら、最後にこちらの要望や気持ちを伝えるのがいいかと思います。
その先生の話を聞き、否定することなく受け入れ、自分の意思や気持ちを伝えるようにしています。
とにかく保育観や考え方を聞いて相手を知ることを心掛けています。相手を知った上でどうアプローチしていくかを決めるようにしています。
保育に関しては個々あるので、相手の意見を尊重するようにしています。必要であれば自分の意見を伝えるなど、お互いの意見を話し合います。
私が今の園で1年目と言う事もあり、年齢に関係なく今までの園での保育の仕方や流れを教えていただきました。上から目線にならず、保育士と同じ立場として現場を中心に仕事する様に心掛けています。気づいたことや変えたい所は皆の意見を聞きながらも自分の芯の部分はぶらさず、理由や想いをまっすぐに発信していけるようにしています。
その他の意見
これまで紹介した以外にも様々な意見を頂きました。
その他の意見について、いくつかご紹介させていただきます。
間違いはきちんと指摘し、時には毅然とした対応を取るようにしています。
保育をしている中で動きにくいことがないかを確認し、問題点などを共有をする場を作って話し合っています。
問題が起きた時に、先に相談を持ち掛けます。その時に、他の職員にも相談していることを伝え、考えがその職員寄りにならないよう、さりげなく伝えます。
悪い点だけでなく、良い点もしっかり見ます。そして、職員一人ひとりの長所や短所を理解したうえで、「どうしてほしいのか」「どうすると良いのか」を口頭だけでなく、実際の保育の中でも学べるようにしています。
困った時は素直にアドバイスを求めるようにしています。経験しているからこそ分かることなどを教えて頂きながら、信頼関係を築いています。
年齢を重ねるとその齢にならないと分からないことも多く、経験も豊富だと思うので、その先生の意見や考え方を理解してお話をするようにしています。
まとめ
今回は年上の職員へのマネジメントについて、アンケートで様々な意見を頂きました。
その結果から、「感謝の言葉を伝える」「言葉遣いや伝え方に気を付ける」「コミュニケーションをとる」「相手の意見をしっかりと聞く」などの点に気を配っている方が多いことが分かりました。
もちろんいずれの意見も年齢に限らず気を配っておきたいポイントではありますが、やはり年上だからこその接し方、というのを意識しているようですね。
どう接していいか分からないと戸惑う気持ちも分かりますが、経験豊富な方からの意見は非常に参考になるものです。しっかりと信頼関係を築けるようになると、とても力強い味方になってくれるでしょう。
上手にコミュニケーションをとり、お互いを尊重しあえるような素敵な関係を築けると良いですね。
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