保護者へ伝えたいことがきちんと伝わるカンタンな連絡帳の書き方
保育士の仕事の中でもとくに時間がかかるのは連絡帳を書く作業。
書くべき項目が細かいので作業量が多くなかなか終わりませんし、毎日書いてると書くネタもなくなってきて困っている保育士さんも多いのではないでしょうか。
時間がかかり工数も多い作業とはいえ、保護者と保育士をつなぐ大切なコミュニケーションツールでもあるのでしっかりとした内容を書きたいですよね。
保護者に保育園での子どもの様子をきちんと伝えられる連絡帳の書き方をご紹介します。
連絡帳を書くねらい
そもそもなぜ連絡帳を書く必要があるのでしょうか。
さまざまなねらいがありますが、その1つは保護者の不安を払拭するためです。
保護者と保育士の意思疎通を図り、保育園での出来事など重要なことを伝えるコミュニケーションツールです。
保護者の知りたい情報を伝えて不安を払拭する
社会福祉法人 日本保育協会の「保育所保母業務の効率化に関する調査研究」には、連絡帳について以下のようなことが書かれています。
- 1日の大半を保育園で過ごす子どもの様子を保護者に伝えたり、また、家庭での様子を知らせ合うノート
- 保護者が安心して育児ができるように手助けをしたり、応援をする気持ちで連絡帳を活用していきましょう
上記の内容をもとに、この記事では保護者の知りたい情報をきちんと伝えて、保護者の不安を晴れさせてくれるのがいい連絡帳として進めていきます。
保護者の育児をサポートをする
連絡帳には保護者の不安を払拭させるという役割のほかに、保護者の育児をサポートするという役割もあります。
保護者の育児をサポートするためには、保育士と保護者の信頼関係が欠かせません。
また、連絡帳を卒園時に渡す園もあるそうです。
連絡帳とは日常の記録であるため、読み返すことで思い出が蘇り、保護者の心の支えとなります。
連絡帳に書く内容
連絡帳に書くべき内容は、保護者が知りたい情報です。
保護者が知りたい内容は大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 子どもの成長
- 仲のいい友達
- 睡眠時間や食事などの体調管理
それぞれの項目に分けて、どのようなことを書いていけばいいのか解説します。
子どもの成長
子どもの成長を保護者に伝える上で一番大切なのは「なにができるようになったのか」を書くことです。
我が子の成長やできなかったことができるようになる報告は読むと自然と嬉しい気持ちになります。
また、保育園だけでなく家庭でも見てみたいと思い、親子関係がより密接で強固なものになるサポートをすることができます。
仲のいい友達
自分の子どもが「誰とよく遊んでいるのか」も保護者が知りたい情報になります。
交流をとる機会の少ない保護者同士で、ママ友づくりやパパ友づくりを効率よく行うのに役立つからです。
ママ友やパパ友は保護者同士で相談し合ったり、情報を共有したり、慰め合ったりと重要な役割を果たします。
子ども同士も仲がよいママ友やパパ友がいることで、保護者は育児中でも心にゆとりをもつことができます。
睡眠時間や食事などの体調管理
毎日忙しい保護者にとって「お昼ごはんを食べる量」「お昼寝の時間の様子」はおさえておきたいポイントになります。
子どもたちの食事や睡眠の状態が、帰宅後のスケジュールに直結するからです。
例えばお昼寝の場合、
- あまり寝ていなければ早く寝るため夕食を早める
- よく寝ていれば夜の寝る時間が遅くなることを覚悟
といった感じです。
お昼ごはんとお昼寝に関しては、「いつもと違うな」と感じたらしっかりと書くようにしましょう。
連絡帳を書くときの基本
連絡帳を書くときは以下の3つを意識して書くと、保護者に伝わりやすい文章となります。
- 5W1H
- 内容はポジティブに
- 園から保護者にお願いごとをするつもりで
1つずつ深堀りしていきます。
5W1H
よく耳にする言葉ですが、ご存じの通り保育園での様子が目に浮かぶように具体的に書くことです。
その中でもとくに
- 誰と遊んだか
- なにで遊んだか
- どんな体調か
この要素は含んだ内容を書くようにしましょう。
子どもの保育園での過ごし方がわかりやすくなって安心し、遊んだ内容や友人関係は家庭での会話に繋がりやすくなります。
内容はポジティブに
基本的には子どもを叱ったり、説教をするような内容は書かず、子どもを褒めるようにしましょう。子どもが叱られていていい気がするものではありません。
もし問題が起きた場合や不安な箇所がある場合は、一緒に考えようとする姿勢を見せるようにしましょう。
こうすることで保育士は頼りがいのある味方となれます。
園から保護者にお願い事
園から保護者へお願いごとや報告がある場合は、保護者だけにお願いするのではなく、園でも極力対処することを伝えましょう。
たとえば、寒がっている子がいるとします。
その日の連絡帳には「寒がっている様子なのでお家でも温めて、お腹を冷やさないようにしてください。」と書きます。
この文章が保護者へのお願いとなります。
その文章に続けて「園でも冷たい食べ物やお昼寝の布団の位置には、とくに配慮して気をつけるようにします。」と園でも対処をすることを伝えます。
園でも対処をするという伝え方をすることで保護者に不快感を与えることなくお願いごとをすることができます。
読みたくなる連絡帳の特徴
読みたくなる連絡帳の特徴は以下の3つです。
- 不快感がない
- 具体的なエピソード
- 成長が感じられる
不快感がない
不快感がない文章を書くときに大事になるのはこの2点です。
- 周りの子と比較しない
- 意見を書くときは理由も付け加える
子どもを否定したり説教をしたりといった、読みたくなるような内容は書かないようにしましょう。
意見や提案があるケースは、理由を付け加えることで不快感を軽減することができます。
具体的なエピソード
具体的なエピソードを書くときに大事になるのはこの2点です。
- たくさんのエピソードではなく、特に印象深かった一つの出来事について書く
- トラブルがあった場合は相手の子の名前を出さない
うれしいことや面白いことは自然と読みたくなるので積極的に伝えるようにしましょう。
トラブルがあった場合は、子ども同士でどんなやり取りをしたか、どんな経験をしたかなど事実を報告するようにしましょう。
前向きな表現をするために意識すること
前向きな表現をするために意識することは以下の7つです。
- 保護者の気持ちを汲む
- 情報を提供してくれたと、感謝の気持ちを意識する
- 迷うときは周りに相談
- 否定的な内容に注意
- プライベートな質問では深入りせず受け流す
- ほかの子と比較しない
- 書き終えたら確認
情報を提供してくれたと、感謝の気持ちを意識する
保育園や保育士に対して不満や苦情をもらうこともあります。
苦情が来ることは悲しいですが、改善点を教えてもらったんだと受け止めて、文面以上の深読みをしすぎないように気をつけましょう。
迷うときは周りに相談
保育士といえど判断に迷う相談はあります。
そんなときは外部の専門家と連携したり、先輩や同僚に相談したりして解決策を考え出しましょう。
プライベートな質問では深入りせず受け流す
たまに入り込んだ質問をしてくる保護者の方もいます。
プライベートな質問に答える必要はないので、スタンプやイラストで受け流しましょう。
書き終えたら確認
誤字脱字はないか、正しい言葉遣いかどうかしっかり確認しましょう。
とくに子どもの名前を間違えるのは失礼なので入念にチェックしてください。
丁寧な字で書けるようになるとよりよいです。
リアクションや返信のコツ
コメントや質問があれば必ずリアクションや返信をするようにしましょう。
コメントをするときは「〇〇ちゃんすごいですね笑」のように、前向きな表現で答えるようにしましょう。
顔が見えない分書き方で印象が変わる
文面での否定的な内容は実際に話す以上にきつく感じられます。
言葉遣いや印象に気をつけて、イラストやスタンプを使って和らげましょう。
親から申し出があった場合
一瞬きつい言い方をされても、それは子どもを心配する気持ちからくるものです。
まずは子どものことを第一に対処することを伝えましょう。
そして保護者の不安や心配を和らげる書き方で、書かれた内容に気配りをする内容(心配ですね、等)を書きましょう。
無理に耐える必要はありませんが、保護者が1番不安に感じていることはなんなのかを読み解き、一緒に考える姿勢でサポートをしていきます。
園でトラブルがあった場合
子どもが怪我してしまったり、保育士とトラブルがあった場合は口頭で伝えましょう。
文面だとそっけなく感じられてしまうからです。
まずは言い訳をせず、ありのまま報告をしましょう。
そしてお詫びの言葉を言い、保護者の話を聞きましょう。
時短のコツ
連絡帳の質を落とさずに、カンタンに時短できるテクニックがあります。
ぜひ一度取り入れてみてください。
書き出しや書き終わりをパターン化
シチュエーションごとに、出だしと締めの言葉を決めておきましょう。
一度使い始めれば保護者からは「そういうキャラクターの先生なんだ」と認知されるので一年間使い続けることができます。
YouTuberの挨拶みたいなものですね。
※書き出し(家庭からの報告の場合)
- 喜びや楽しみを分かち合う文章
- 保護者をねぎらう文章
- 保護者の頑張りが子どもの成長につながっていることを伝える文章
- 保護者の気持ちに寄り添い、安心させてあげられるような文章
※書き出し(園からの報告の場合)
- 保護者と喜びを共有する文章
- お願いをする場合、お願いの前提となるエピソード
- 素直な感謝やお詫びの気持ち
※書き終わり(園からの報告)
- 印象的なエピソードから受けた感想
- 前向きな意見や今後の提案、引き続き見守っていく姿勢
- 家族や子どもへのメリット、園でも取り組むこと
- 保護者と連携しながら対処していく気持ち
イラスト
イラストは自分の感情をカンタンに表現し、堅い雰囲気の話でも和みをもたらすことができます。
さらにイラストがある連絡帳とない連絡帳ではクオリティーはイラストがある方が高く見えます。
カンタンな花や天気、、ハートや星、スタンプなどでも効果があるのでオススメです。
園によっては「!」と「?」しか使ってはいけないというような決まりがあるところもあるので、まずは自分の通勤する園に確認してみてください。
ネタをメモ
ネタをあらかじめメモしておくのは当たり前のようでとても大切なことです。
思い出すのにかける時間が短くなりますし、忘れることがないのですぐに書き出せます。
- 新しくできるようになったこと
- 感情表現の様子
- お友達とのエピソード
これらの意識して子どもたちを見れば、ネタが探しやすくなります。
また、挑戦したことも前向きに捉えて書くようにしましょう。
どんな場面でどのように感情を表現するのかを書くと読み返したときに思い出になります。
お友達ともエピソードでは、保育士がどのように感じたのかも書くようにしましょう。
ICTシステムを活用
手書きの連絡帳ではなく、ICTシステムを活用するのも有効です。
手軽に入力できますし、文章の修正も簡単です。スマホやタブレットでも内容を確認できるため、保育士と保護者双方にとって使いやすいでしょう。
まとめ
いろいろな意見をもつの保護者がいますが、その多くは子どもを心配する気持ちから出る行動である場合が多いです
様々な保護者がいることは事実ですが、気持ちに寄り添うことで本当の問題点に気づくことができます。
保育士は保護者の気持ちに寄り添い、少しでも安心して任せられるように連絡帳を活用しましょう。
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保育園に直接おむつが届くため、保護者はおむつを持ってくる必要がなくなり、保育士は園児ごとにおむつ管理をする必要がなくなります。