保育に欠かせないうたはどうやって選べばいい?選曲ポイントとおすすめのうた13選
子どもたちは、歌うことが大好きです。ところが、選曲によっては「思うように盛り上がらなかった」という経験がある人も多いのではないでしょうか。
保育でうたを活用するためには、明確な理由やねらいを持ってうたを選ぶことが重要です。
本記事では、保育で使ううたを選ぶ際におさえておきたいポイントを確認し、おすすめのうたを紹介します。あわせて具体的な活用アイデアも紹介しますので、参考にしてください。
保育で使ううたはどうやって選べばいい?うた選びのポイント
本来はうたが大好きな子どもたちですが、子どもが「歌いにくい」と感じる選曲をしてしまうと、「自分は歌うことが下手なのかな」と苦手意識を持つようになってしまいます。
たくさんのうたの中から、どうやって“子どもが歌いやすいと感じるうた”を選べばいいのでしょうか。
必須ポイント!子どもの成長や月齢に合わせたうたを選ぼう
保育で使ううたを選ぶ上で絶対に外せないポイントは、「子どもの成長に合わせること」です。
からだの成長や理解力に合わないうたを選んでしまうと、子どもが“歌いにくい”と感じてしまいます。
子どもの声域は、からだの発達とともに広がります。3歳未満では、声域が狭いだけでなく、離れた音を歌うのも難しいため、シンプルなメロディーを繰り返すうたを選びましょう。
4歳半ば頃からは、声域の成長を促すためにも、少しずつ音程の高低差を広げたり複雑なリズムを加えたりしていくのがおすすめです。
歌詞にも注意が必要です。発音が未熟な低年齢のうちは、あまり歌詞の内容は気にせず、発音しやすい擬音が繰り返し登場するものを選び、リズムを楽しむことに重点をおきましょう。
年齢が上がり理解力が伴ってくると、音程やリズムだけでなく、歌詞の内容まで楽しめるようになってきます。同時に、からだの動きもリズムに合わせた手あそびから、歌詞に合わせた全身の動きへと発展させていきましょう。
子どもが喜ぶ!取り入れたいうた選びのポイント
「子どもの成長に合わせる」という必須ポイントをおさえたうたの中から、より子どもが喜ぶうたを厳選するためには、どのような点に着目すればよいのでしょうか。
季節や行事を感じられるうた
子どもが実際に今、見たり感じたりしていることは、映像としてイメージがつきやすいものです。今体験している状況に合わせたうたを選ぶことで、季節や行事にも関心を持つきっかけになります。
ポイントは、“シーズン到来の少し前から導入すること”。季節が移り変わっていく様子にも目を向け、行事を楽しみに待つ気持ちを味わうためです。
からだを動かして楽しめるうた
“自然とからだが動いてしまう”うたを選ぶことも大切ですが、リズムをとるのが苦手だったり、表現することを恥ずかしがったりする子どももいます。
うたに合わせたからだの動きを提案することで、うたとからだの動きは連動することや、うたでからだを動かす楽しさを知るきっかけを作りましょう。
また、うたに合わせて周りの人とスキンシップを楽しんだり、みんなでうたに合わせて動く一体感を感じたりすることで、社会性や協調性を育むことにも繋がります。
子どもに人気のうた
いくら「うたは素晴らしいよ」と伝えたくても、子ども自身がうたに興味を持てなければ主体的に楽しむことはできません。
昔から歌い継がれてきた童謡の中には、現代ではあまり見かけなくなった風景や状況を歌ったものもあり、子どもが共感しにくい側面もあります。
今を生きる子どもたちが盛り上がりやすいのは、やはり今人気のアニメのうたや流行歌でしょう。まずは人気曲で“歌うこと”に興味を惹くことも大切です。
また、他の保育士が勧めるうたを取り入れるのも手です。うたに限らず、子どもの間で今何が流行っているかなどの情報を園全体で共有できる場を設けると、保育士間の情報交換も活性化されます。
【季節別】おすすめの季節や行事を感じられるうた
季節や行事を感じられるうたを、季節別に紹介します。歌うだけでなく、他の保育活動との連携や発展も工夫してみましょう。
春のおすすめのうた
春のうたは、彩りやぬくもりを感じられるものが多いのが特長です。入園や進級で緊張している子どもの気持ちをほぐすためにも、みんなで歌える明るいうたを選びましょう。
チューリップ
単調なリズムで、低年齢でも歌いやすいうたです。
うたをきっかけに、製作や手あそびなど、さまざまな活動展開が可能です。子どもたちの心の中にある自由なチューリップの色を引きだしてみましょう。
こいのぼり
子どもの日に関するうたで、保育で必ず取り入れたいうたのひとつです。
現代では、大きなこいのぼりが空を泳ぐ姿をあまり見られない地域も増えてきています。
みんなで大きなこいのぼりを作ったり、園舎や教室に積極的に飾りつけたりして、行事への理解を深めましょう。
夏のおすすめのうた
梅雨や酷暑で室内遊びの時間が多くなる夏は、大自然を想像できたり、涼を感じられたりするうたを選ぶのがおすすめです。
海
ゆったりした曲調で、海の大きさや広さと一緒に想像も広がるうたです。
海だけでなく、海の生き物についても製作物や本なども用いて理解を深めていきましょう。
たなばたさま
2007年に“日本の唱歌100選”に選ばれた、日本の夏を代表する童謡です。“サラサラ”“キラキラ”といった擬音が子どもたちを惹きつけます。
多くの園では、七夕まつりを実施して笹飾りや短冊製作を行うのではないでしょうか。行事当日までに上手に歌えるようになる喜びや、みんなで発表する達成感を感じられる雰囲気づくりに努めましょう。
秋のおすすめのうた
気温が下がり始める秋は、人も他の生き物たちも活発に動き出す季節です。
とんぼのめがね
虫に興味を持つきっかけになったり、たくさんの色を使った製作に発展させたり、と多くの活動展開が期待できる童謡です。
うたが短く、子どもが何度も繰り返して歌いやすいのも人気の理由でしょう。
うんどうかい
運動会の練習の始まりとともに導入すれば、生活の中でも運動会を楽しみに待つ環境がつくれます。
秋には体育の日もあり、スポーツに関心が向けやすい季節です。運動会を春に実施する園でも、スポーツに関するうたを取り入れておきたいところです。
冬におすすめのうた
クリスマスや年末年始と行事の多い冬は、子どもたちが喜ぶうたも多い季節です。年齢に合わせたうたをチョイスしましょう。
たきび
かつては冬の風物詩だったたきびも、現代では経験のない子どもも多くなってきています。
うたを通して、日本の古きよき風景や文化を感じられるでしょう。
赤鼻のトナカイ
リズミカルで、楽器を用いた演奏にもおすすめのうたです。
歌詞の意味は理解できなくても、リズムを聞くだけでクリスマスの楽しい気分を感じられるはずです。
【年齢別】おすすめの手遊びうた
手遊びうたでは、からだの成長に合わせたうたを選ぶことが非常に重要です。低年齢では、動きが少なく、かつ左右で同じ動きをするものから始めましょう。
次第に指先の動きを加えたり、歌詞に合った全身運動を取り入れたりしていくのが理想的です。
0~1歳児向け
0~1歳児は、音やリズムよりも人の声に興味がある時期です。伴奏が少なく、ゆっくりしたスピードで語りかけるようなうたを用いて、スキンシップをたくさん取り入れましょう。
ひげじいさん
「とんとんとんとん」と一定のリズムが繰り返され、小さな子どもでも動きが真似しやすいうたです。
うたの締めくくりの「手はおひざ」で自然と話を聞く姿勢に誘導できるため、年齢問わず保育現場で多用されています。小さな頃から親しんでおくと、次の展開へのスイッチとして理解しやすいでしょう。
0~1歳児では、「手はおひざ」の歌詞を変えながら、保育士とともにからだのさまざまな部位をさわってスキンシップを楽しむのがおすすめです。
2~3歳児向け
2~3歳になると、全身運動が活発になり、語彙も急速に増えてきます。周りの人と一緒にからだを動かしながら、うたに合わせてリズムを取れるうたを選ぶとよいでしょう。
やきいもグーチーパー
やきいもができあがっていく様子をリズミカルに表現し、最後にじゃんけんで終わるうたです。
友達にも興味が出てくる時期ですので、じゃんけんをしながらたくさんの友達と関わることができる環境を作りましょう。
4~5歳児向け
4~5歳児になると、歌詞の意味を理解しながら音程を合わせて歌うことができるようになります。運動能力も発達し、バランス感覚もアップします。歌詞に興味が持てて、全身を使いながら楽しめるうたがおすすめです。
Head Shoulders Knees and Toes
「あたま・かた・ひざ・ポン」の英語バージョンです。日本語で十分に理解できるようになったうたも、英語で歌うとより集中し、達成感も大きくなるでしょう。
理解度に合わせて、叩く回数を変えたりだんだんとスピードアップしたりして、難易度を上げることも可能です。
おすすめの子どもに人気のうた
子どもに人気のうたは、興味を惹きつけたいときや、場の一体感を作りたいときにとても有効です。うたが苦手な子でも、人気のうたであれば前向きに取り組めるかもしれません。
アンパンマンのマーチ
赤ちゃんも大好きなアンパンマンのマーチですが、大人も歌詞の奥深さに心打たれるうたです。
小さな子でも口ずさみやすい簡単なメロディーで、大人も子どもも一緒になって楽しめる一曲です。
勇気100%
人気アニメの主題歌で、25年以上も使用され続けているうたです。保護者の子ども時代から人気のうたで、こちらも世代を超えて楽しめて、勇気と元気がもらえる一曲です。
まとめ
保育で使ううたは、「子どもの成長に合ったうた」を選ぶことが原則です。
成長に合ったものの中から、季節や行事を考慮したり、子どもに人気があるものをチョイスしたりすると、子どもが積極的に楽しめるうたを選ぶことができるでしょう。
うたに合わせて動きや他の保育活動を展開しながら、子どもたちの元気な歌声が絶えない保育現場を目指しましょう。
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