手ぶら登園保育コラム

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保育の五領域における環境とは?環境のねらいと実践例を紹介

保育に関わる際「保育における環境ってどんなもの?」「環境のねらいって何だろう?」と疑問を感じる人もいるのではないでしょうか。

環境と一言で言っても、植物や川といった自然のものなのか、保育室内にあるものなのかわかりにくいですよね。

そこで今回は、保育や幼児教育には欠かせない五領域の中から、特に環境に焦点を当ててねらいと実践例をご紹介します。五領域の1つである環境の意味を理解して、より良い保育園作りの参考にしましょう。

保育の五領域における環境とは

厚生労働省が発表している保育所保育指針の中に、「五領域」というものがあります。五領域とは健康、人間関係、環境、言葉、表現のことです。

保育所保育指針には、環境について以下のように記されています。

生命、自然及び社会の事象についての興味や関心を育て、それらに対する豊かな心情や思考力の芽生えを培うこと

引用:厚生労働省「保育所保育指針

これは簡単に言うと「周りにあるすべての環境に興味を持ち、生きていく力をつけていくこと」。

環境は自然なものというイメージがありますが、草木だけでなく、子どもに関わる人や本、おもちゃ、保育室、園庭など、周りにあるすべてが環境です。私たちは、常に環境の中で過ごしていると言っても良いでしょう。

保育における環境のねらいと内容

保育における環境のねらいは、以下のとおりです。

  1. 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。
  2. 身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。
  3. 身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。

引用:厚生労働省「保育所保育指針

上記のとおり、環境のねらいは周りのものに親しみを持って触れながら、自分の感覚を身につけていくこととされています。

保育における環境の内容は、以下のとおりです。

  1. 自然に触れて生活し、その大きさ、美しさ、不思議さなどに気付く。
  2. 生活の中で、様々な物に触れ、その性質や仕組みに興味や関心をもつ。
  3. 季節により自然や人間の生活に変化のあることに気付く。
  4. 自然などの身近な事象に関心をもち、取り入れて遊ぶ。
  5. 身近な動植物に親しみをもって接し、生命の尊さに気付き、いたわったり、大切にしたりする。
  6. 日常生活の中で、我が国や地域社会における様々な文化や伝統に親しむ。
  7. 身近な物を大切にする。
  8. 身近な物や遊具に興味をもって関わり、自分なりに比べたり、関連付けたりしながら考えたり、試したりして工夫して遊ぶ。
  9. 日常生活の中で数量や図形などに関心をもつ。
  10. 日常生活の中で簡単な標識や文字などに関心をもつ。
  11. 生活に関係の深い情報や施設などに興味や関心をもつ。
  12. 保育所内外の行事において国旗に親しむ。
引用:厚生労働省「保育所保育指針

実際の保育では、子どもたちがたくさんのことに触れながら、小さいことにも気づき、成長できるよう一緒に遊んだり考えたりしていきます。

環境を取り入れた保育の実践例

環境を取り入れた保育を行うためには、保育士が先頭に立って行動し、物事に興味を持つことが大切です。まずはお手本となる大人が物事の面白さや楽しさ、美しさを感じましょう。

子どもたちはそんな保育士の姿を見て、まねをすることで成長していきます。ここからは、環境を取り入れた保育の実践例を見ていきましょう。

季節に合わせた歌や絵本で遊ぶ

私たちが感じる気温や風、日差しの強さなどは日々変化します。日本には四季があるので、季節に合わせた歌や絵本を取り入れて遊ぶことで、普段は気づかないことに気づいたり、感じていることを言葉にしやすくなったりするでしょう。

歌や絵本といった環境をとおして、子どもたちの感性は広がっていきます。1年後子どもたちは、春夏秋冬それぞれの季節のイメージを持てるようになっているはずです。

注意点として、子どもの集中力は短いので、歌も絵本も飽きないうちに終わるものを選びましょう。

積み木を重ねて遊ぶ

子どもが小さい頃に遊ぶおもちゃとして人気のある積み木。最初は持つだけしかできなかった子どもも、重ねてみたり叩いて音を出したりしながら自分で遊び方を覚えていきます。

また、保育士が積み木を倒さないように重ねる姿を見て、倒れないように重ねる方法を学ぶことも。

しかし、どんなに上手に重ねても、いつかは崩れてしまいます。中には崩れるときの動きや音が面白くて、何度も繰り返して遊ぶ子どももいるでしょう。

実際に積み木を触ることで、子どもはその温度や触り心地、重さを学べます。積み木を重ねてお家や車などを作る過程をとおして、想像力も豊かになるでしょう。

どんぐりや枯葉で遊ぶ

秋になると気温もちょうど良くなり、運動やお散歩など外にいる時間が増えてきます。その際、園内だけでなく近くの公園にも足を運んでみましょう。

秋の公園には、どんぐりや枯葉がたくさん落ちています。子どもたちが全員拾っても十分な量があるので、喧嘩をすることなく、楽しく拾えるでしょう。

どんぐりや枯葉はただ拾うだけではなく、保育園に持ち帰って製作にも使えます。子どもたちは、どんぐりや枯葉がどのような形をしているか、どう並べると面白いか、ペンを使ってどんな顔を描こうかと想像力を膨らませることが可能です。

製作後はみんなで発表会をするとより良いでしょう。他の子の製作物を見て、自分にはなかったアイデアに気づくことも大切です。

草花を使って色水で遊ぶ

近所に咲いている草花を集めて持ち帰り、色水を作って遊びます。ビニール袋や空のペットボトルを使えば、綺麗な色水を作れるでしょう。

子どもたちは「水と花びらを混ぜている間はどんな色になるんだろう?」と想像したり、太陽の光に当ててキラキラと反射する色水を見て感動したりします。

ただし、色水に使う草花は何でも良いというわけではありません。色水になりやすいものとなりにくいものがあるので、事前にどのような草花が色水に向いているかをチェックしておきましょう。

色水に向いている草花には、例えば以下のようなものがあります。

  • 朝顔
  • ホウセンカ
  • つゆ草
  • マリーゴールド
  • シソの葉

中でも朝顔は、子どもたちが育てやすいお花です。夏の間子どもたちと一緒に育て、枯れる前にちぎって色水するのも良いでしょう。

身近なものを使った造形遊びをする

普段目にする段ボールやペットボトル、牛乳パック、トイレットペーパーの芯などから造形遊びをします。おもちゃは既製品のものが多いイメージですが、手作りのおもちゃでも十分遊べます。

造形遊びをとおして子どもたちは、身の回りのものからおもちゃを自分で作ることもできると気づきます。今まではゴミだと思って捨てていたものに価値を見出し、有効活用するきっかけにもなるでしょう。

観察ゲームをする

あるものを見て、隅々まで観察するゲームです。色や形、匂い、重さ、大きさの他にも、思いもよらない答えが返ってくることもあります。子どもたちはゲームをとおして、普段から周りのものに興味を持って観察する力を養えるでしょう。

まとめ

今回は、保育における環境のねらいや実践例をご紹介しました。環境を取り入れた保育を行うには、保育士も子どもたちと一緒に感じ、喜び、楽しみましょう。子どもにとっては、保育士も大事な環境の1つです。

また、保育にどのように環境を取り入れるべきか迷ったときは、ぜひ今回ご紹介した実践例も参考にしてみてください。

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