手ぶら登園保育コラム

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保育士の保護者対応のコツ!トラブルの原因から対処法まで解説します

保育士の保護者対応のコツ!トラブルの原因から対処法まで解説します

保育士は子どもの保育だけではなく保護者対応も仕事の1つです。ただ、保育士の対応や双方の考え方の違いによりトラブルに発展してしまうケースもあります。

今回は、トラブルになる原因から起きてしまった時の対処法までをご紹介しています。

保護者とトラブルになる5つの原因

保護者とのトラブルは些細なことの積み重ねで起こります。保育者にとっては平等に関わっている子ども達でも、保護者にとっては当然ながら自分の子どもが1番に可愛いと思うために些細なことが気になるからです。

原因①子どもを侮辱するような言葉

子どもを否定するような言葉、他の子と比較するような言葉を保育者から聞くと、保護者は不信感をつのらせます。
「今日も〇〇ちゃんは座っていられませんでした」「××くんみたいに出来ると良いですね」などの言葉がけは、自分の子どもが大切にされていないのではないかと感じることになります。

子どもは年齢が同じであっても1人1人性格も発達スピードも異なります。当然ながら他の子どもが出来ている事であっても、幼いうちであればあるほど理解ができずに好ましい行動ができない、発達目安よりも遅れているということは大いにあります。

子どもを育てるプロである保育者に子どもを侮辱されるようなことを言われることは、保護者からすれば自信を失くしてしまうことであり「自分の子どもは先生にちゃんと見てもらえているのだろうか?」という気持ちになることでしょう。

原因②対応が雑になっている

送迎時に流れ作業のようになっていたり、怪我の報告や連絡の伝え忘れが多いなど日々の対応が雑になっていると、保護者は本当に自分の家庭や子どもを大事にしてくれているのか不安になります。

保護者と関わるのは送迎時の短い間。保育者にとっても子どもの受け入れと受け渡しをする忙しい時間帯です。時間が限られている中、子どもの様子や伝達事項を言わなければいけないので、対応がつい雑になってしまいそうになるのは理解ができます。

しかし、保護者は短い時間の中でも保育者が子どもとどんな風に関わっているのかを見ていますし、子どもが園でどのように過ごしているのかを知りたいのです。保護者にとって保育者から聞く子どもの様子や、その場での対応の仕方が、保育園や幼稚園で過ごす子どもの全てと言っても過言ではないでしょう。

保育者の対応が雑になることで、保護者はその日の子どもの様子や伝達事項がわからなくなるだけではなく、本当にこの先生に子どもを任せて大丈夫だろうかと不安な気持ちになります。

原因③保育者と保護者の考え方のズレ

保育者が意図しておこなった子どもへの対応が、保護者に伝わらずかえって不信に思ってしまうことがあります。日頃からの保護者とのコミュニケーションが不足しているために起こるトラブル原因と言っても良いでしょう。

例えば子どもが着替えをしている時に保育者がおこなった「見守る」という行動。これは子どもが自分で着替えができるようになるようあえて見守っていますが、保護者からすれば「なぜ手伝ってくれないの?」と疑問に感じることもあります。

また、保育者が良かれと思い言った言葉が行き違ってしまうこともあります。「今日はお迎えが早かったね!」と言うことは、子どもにとって嬉しい事でも保護者にとっては「いつも遅いですね」と言っているように聞こえかねません。

日頃からの伝達不足や安易な言葉がけはトラブルを招く元となるため注意が必要です。

原因④保育のやり方に疑問を持つ

時には保育のやり方に疑問を持ち、トラブルに発展するケースもあります。この保育のやり方も考え方のズレと同様に日頃からの保護者とのコミュニケーションが不足しているために起こりうることです。

保育者は子どもを養護する立場と、教育をする立場の両方を兼ね備えています。特に無垢な子どもを教育することは簡単なことではありません。そのため、時には叱ることもしながら子どもを育てていくことが必要です。

ただ、保護者にとっては叱ることばかりを報告されていたり、その現場を見ていると「これは本当に正しい保育なのだろうか?」と疑問に思います。保育士は子どもを育てるプロです。いつでも適切な関わりをして欲しいと保護者は願っています。

原因⑤保育者間で対応が統一されていない

保育園には複数の保育者が勤務しています。正規職員もいれば、中には時間で雇用されている保育者もいるため、意思や伝達事項の統一が難しいです。しかし、保護者の立場からすれば関係のないこと。どの職員と話しても、同じ対応を受けるのは当然のこととしてとらえています。

例えば遠足の持ち物を確認したいときに、担任には良いと言われたことが、別の保育者にはダメだと言われたとなると、一体どちらの言うことを信じたら良いのか分からなくなってしまいます。

たらい回しにされるようなことがあれば余計に不快な気持ちにもなりますし「この園は大丈夫なのだろうか」と保育者の対応1つで不安に思われてしまいます。

保護者対応に失敗しないためのポイント

保護者との信頼関係は保育者の小さな気遣いと努力によって築くことができます。

保護者の中にも様々な人がいますが、どの人にも丁寧な対応を心がけることで保護者対応がうまくいくでしょう。

小さなコミュニケーションを大切にする

まずは笑顔で明るい挨拶から心がけましょう。挨拶は人間関係を確立し、円滑にし、維持する機能を持っています。保護者にどのように話しかけて良いか分からないという保育者でも「おはようございます」「今日もお疲れさまです」と話しかけることで、次の話題につなげやすくなります。

また、挨拶は人間の承認欲求を満たす役割も持っています。つまり「あなたのことをちゃんと見ています」ということを相手に認めるといった行為です。
トラブルの元は保護者とのコミュニケーションが不足しているのが原因であることが多いです。明るい挨拶で印象付けてから、子どもの話題に入ると良いでしょう。

日々の小さなコミュニケーションの積み重ねが、保護者との言葉や考え方のズレを無くし信頼関係を結ぶ大切なものとなります。

話をする時は「共感」と「傾聴」を忘れない

コミュニケーションというと話す方ばかりに目が向けられやすいですが、実は相手の話しを聞くことの方が大切です。園での子どもの様子をもちろん保護者は知りたいですが、それ以上に自分の悩みや考えを聞いて欲しいと思っているかもしれません。

話しを聞くときは「そうですよね」「分かります」と共感を示しましょう。ただ相槌を打てば良いのではなく、しぐさや声の調子を変え相手に聞いていることを示すことも大切です。
また、相手のしぐさや表情を合わせるミラーリングやバックトラッキング(オウム返し)の手法を使って相手に安心感や共感を示すことも効果的となります。

保育者が話す事は手短に、会話は保護者の話しを中心に展開できると良いですね。

子どもの様子は具体的に伝えるようにする

子どもの話題は短く具体的にが理想です。「今日はおままごとをしていました」だけではなく「今日は〇〇ちゃんと一緒におままごとをして、こんな会話をしていました」というように、どのように遊んでいたのか、誰と関わりがあったかなどを伝えるだけで情景が浮かび、保護者にも伝わりやすくなります。

子どもの様子が伝わるだけではなく、「子どもをしっかり見てくれているんだ」という安心感にも繋がります。

マイナスなことは口頭で

保護者対応は良い話題ばかりではなく、時には子どものマイナスなことも伝えなければなりません。マイナスなことであっても子どもの立派な成長であり、家庭での対応も時には仰ぐ必要があるからです。

保護者対応には、連絡帳、電話、口頭と手段がありますが、マイナスな報告は口頭でやんわりとおこなうようにしましょう。
連絡帳や電話は表情が見えない分伝わり方が違ってしまったり、事務的に感じられてしまう恐れがあります。

伝達方法を適切に選びながら、保護者と協力をして子どもを育てていけると良いですね。

よくあるトラブルの種類

どれほど気をつけていても、人と人とが関わる以上トラブルは避けられないもの。具体的にどのようなことを不満に思っているのかが分かると、対処がスムーズになります。

子ども同士のケンカでのトラブル

保育園や幼稚園の生活の中で、子どものケンカは日常茶飯事。子ども達はケンカを通して相手との関わり方を体得していきます。そのため、保育者は学びの機会として仲立ちをしたり見守ったりと関わっています。

ただ、時には叩く、噛むなどケガを伴うケンカに発展してしまうこともあります。そのような時には保護者に必ず報告をしなければいけませんが、大きなケガであったり、ケガが続くようだとトラブルに発展してしまうことも。

なぜケガを伴うような大きなケンカになるまで放っておいたのか、自分の子どもをしっかり見てくれていたのかと不満に感じてしまいます。

園行事に関するトラブル

運動会や発表会、保育参観などの行事は、普段は見ることができない園での子どもの姿を見ることができるため、保護者は楽しみにしています。その分、思い通りにいかない部分が見えると不満がつのってしまいます。

例えば、保育参観の日程が合わないから変えてほしいという要望。園としては全体に周知してしまっていることであるため、聞き入れることが困難なケースです。
あるいは、発表会で自分の子どもの配役を変えてほしいという要望。こちらも他の子どもとの兼ね合いがあるため難しいケースが多いでしょう。

このように、園行事に関するトラブルは全体に発信をしているため、個別対応が難しくトラブルの元となってしまいます。

保育のやり方に関するトラブル

子どもは園生活の中で様々なことを学んでいきます。その中で保育者の関わり方はとても重要です。時には仲立ちや見守ることもしながら子どもが学ぶ機会を作っていきます。しかし、保護者には保育者の意図が伝わりづらいことも。

保護者からすれば大切な我が子です。常に気にかけていてもらいたいものですが、保育者と考え方にズレが出てしまうことでトラブルに発展してしまいます。

園の方針に関するトラブル

保育園は子どもの成長を第一に考え統一した方針の中で運営しています。例えば子ども同士のケンカであえてケンカをした相手の名前は出さないという方針。
保護者からしたら相手の保護者に謝らなければいけないという思いで名前を聞きたいという人もいるかもしれませんが、園では子ども同士で解決してほしいという思いがあります。

このように、保護者の思いと園の思いのズレからトラブルに発展してしまいます。

トラブルになってしまった時の対処法

クレームは、自分の気持ちを分かってもらえずに悲しいという感情から生まれるものです。もしもクレームを受けたら、次のように対応をすることで信頼関係を構築する糸口を掴むことができます。

まずは保護者の話を最後まで聞く

トラブルになってしまったら、まずは何より保護者の言い分を最後まで聞くことが大切です。
保護者は怒りの気持ちの底には「わかってほしい」という思いを持っています。その思いを無視したり、言い訳ばかりを保育者が話すことでトラブルがどんどん大きなものになってしまいます。

相槌を打ちながら話しを最後まで聞くことでまずは共感をしていきましょう。そして、「何について」不満に思っていて「どうしてほしいのか」を整理していくと、その後の対応がスムーズになりやすいです。

お詫びと感謝の気持ちを伝える

話を一通り聞いたあとは、例えどんな理不尽な言い分であっても心配をかけてしまったこと、不快な思いをさせてしまったことに対して謝罪をします。
また、意見を言ってくれたことに対して感謝の気持ちを述べましょう。このお詫びと感謝の気持ちを伝えることによって、保護者は聞き入れてもらえたという気持ちになります。

クレームの中には当事者でない場合もあるでしょう。そのような場合でも、園の代表であるという気持ちで真摯に謝罪をすることが大切です。

代替え案を立てる

共感や謝罪をしただけでは、問題の解決にはなりません。保護者が求めているのはこの先どのように対応してもらえるのかということです。
ただ、園としても全てを聞き入れるということは不可能でしょう。そのため、なるべく気持ちにそった再発防止策や、問題解決策を立てることが大切です。

「おっしゃることを全て解決することは難しいですが、このようにしていきたいと考えています。いかがでしょうか?」と、丁寧に対応をすることで、保護者の理解を得られるでしょう。

園長や主任に相談することも1つの方法

時には自分1人では判断に迷うこともあるかと思います。すぐに解決しなければとあいまいなことを言ってしまうと、かえって事態を大きくしてしまうことも。
そのような時は、その場で解決をしようとせずに園長や主任に相談することも1つの手です。

保護者からしてみても、すぐに返答がほしいところではありますが「少し相談させてください」と申し出ることで真剣に対応してもらえているという印象を受けます。自分1人で解決しようとせず、園全体で解決する姿勢を大切にしましょう。

保護者と信頼関係を築くために

保護者とのトラブルは、子どものケンカから園の方針まで理由は多岐に渡りますが、根本の気持ちは子どもを思う気持ちから来ているもの。保護者も保育者も同じ思いを持っています。
とはいえ、人と人とが関わる中ですれ違いが生じるのは仕方のないこと。トラブルに発展してしまったら、真摯に対応し必要な部分は改善をしていきましょう。

また、トラブルが起きる前に日々の関わりを見直すことが大切です。保護者に連絡は密にしているか、雑な対応になっていないか見直しましょう。
より良い信頼関係への糸口となるだけではなく、自身の保育力の向上にも繋がることでしょう。

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