保育士のストライキが増加!その理由は?ストライキの対処法を紹介
コロナ禍により、保育園では感染対策の園内消毒や検温などの業務が増えていますが、保育士の人員不足は相変わらず続いています。
2020年以降、保育士がストライキをしたニュースがいくつも話題になっているのを耳にした方も多いのではないでしょうか。
実際に、
「保育士の待遇をもっと改善してほしい」
「このままでは質の良い保育などできない」
と、悩んでいる保育士も数多くいらっしゃいます。
保育士として、子どもを安全に預かるためにも労働環境の改善を求める意見はどんどん大きくなっています。
その意見は保育士たちだけでなく、保育士以外の保護者や全く関係のない方まで共感するものとなっています。
このような事態が続いた状態で保育園の対処が遅れると、労働環境の改善が検討される前に労働環境の改善を求めてストライキが起こる可能性があります。
過去に保育士がストライキを起こした事例はいくつかあり、大きな話題となっているものが多いです。
この記事では、これまでの事例を挙げながら、
- 保育士がストライキをする背景
- ストライキが起きたときの経営者の対処法
について、以下詳しく見ていきます。
▼新型コロナウイルス感染症による保育現場から保育士を養護する記事
崩壊寸前の保育現場 コロナ対応が追い打ち… 年度末退職に休校が重なり人手不足 「保育士を守って」
保育士がストライキをする訳
保育士がストライキを行う理由として、近年では大きく分けて3つの理由が挙げられます。
- コロナによる休業補償の未払いの解消を求めて
- 保育士の待遇改善を求めて
- 保育士不足による保育の質の低下改善を求めて
以下、これまでの事例とともに、説明します。
▼労働者目線でストライキを起こした動画
休業補償を求めて
コロナで保育園が休業した際の補償の問題が、都内を中心として多く見られています。
介護・保育ユニオンが実施したホットラインでは、休業補償の労働相談のうち、過半数以上がその時点で「全く休業補償が払われていない」というものだったとのことです。
休業補償についての相談が、全体のうち87%にも及んでいます。
もしあなたの園も似た状況だったら要注意です。
保育士がコロナの休業補償の支払い解消や、待遇改善を求めてストライキを起こした事例として、都内の保育園の例を紹介します。
▼都内の保育園の例
保育士の「ストライキ」が続出 コロナ禍の「税金着服」に怒りの声(今野晴貴) – 個人 – Yahoo!ニュース
待遇改善を求めて
待遇改善を求めてストライキを起こした例もあります。
配置基準違反で、決められた人数の保育士が確保されないことや、全く減らない残業などの改善を求めてストライキを起こしたようです。
保育士はサービス残業が多いので、同じように感じている保育士は身近にいるのではないでしょうか。
事例として、三鷹市の例を紹介します。
▼三鷹市のストライキ記事
三鷹市で「保育士一斉退職」の危機 「ストライキ予告」で退職回避を模索(今野晴貴) – 個人 – Yahoo!ニュース
保育の質の低下改善を求めて
保育士の人員不足による過剰な業務負担から、一人ひとりの子どもたちに目を配ることが難しく、危険を避けるので精一杯という園もあります。
保育の質とは、
「子どもたちが心身ともに満たされ、 豊かに生きていくことを支える環境や経験」
と、厚生労働省の「保育所等における保育の質の確保・向上に係る関連資料」(平成30年9月26日)に示されています。
ですが、早朝の開園時から子どもを受け入れる「早出」をできる保育士の数が限られ、中には子どもの人数に対する保育士の配置基準を下回る園があるようです。
きちんとした保育ができないことは、保育士に不満をつのらせます。
三鷹市と横浜市、それぞれの園の例を紹介します。
▼三鷹市の保育園の保育現場
ギリギリ、いつ事故起きても…保育士ら異例のストライキ:朝日新聞デジタル (asahi.com)
▼横浜市の保育園の保育現場
横浜市の保育士が90日間の「ストライキ」 「一斉退職」からスト急増の理由とは?(今野晴貴) – 個人 – Yahoo!ニュース
保育士がストライキを起こしたときの対処法
保育士がストライキを行うと、子どもたちを預かることができなくなるのでとても困りますよね。
保護者も仕事を休まなければいけなくなるので、多くの迷惑をかけてしまいます。
また、ストライキというと悪いイメージをもたれてしまうので、焦って冷静な判断をできなくなってしまいます。
ストライキでは素早い対処が重要となります。また、ストライキが起きたという事実が知れ渡ると、周囲から悪いイメージを持たれてしまいます。
マイナスな影響が広がりすぎないうちに、素早く対処することが重要となります。
労働者がストライキを行う際に、事前に労働者から予告通知が届きます。
ストライキが行われることがわかったら、ストライキが行われるまでの期間でストライキの対処法をあらかじめ確認しておきましょう。
弁護士に相談
素早い対処を求めるなら、顧問弁護士に相談しましょう。
弁護士に依頼するのもいいですが、手続きに時間をとられたり費用が大きかったりするので、あらかじめ顧問弁護士をつけておくのがオススメです。
ストライキ後に保育士に絶対にしてはいけないこと
ストライキ後にストライキをした保育士を、業務態度に問題があるなどの理由をつけてクビにしたり減給したりすることはしてはいけません。
ストライキが起こったということは保育園に対して不満を持っていたからです。
保育園側が不満を無視して改善を行わないと、一向に労働環境は良くなりません。むしろまたストライキが起こってしまう可能性があります。
さらに、ストライキが起きた保育園は社会的にも注目されます。
クビにしたり減給したりした保育士がSNSでそのことを投稿した場合、新たな問題が勃発する可能性もあります。
ストライキを起こさないために
ストライキを行う目的は会社ごとに異なりますが、賃金の値上げや労働環境の改善などを求めている場合がほとんどです。
そのため、ストライキを起こさないためには、日頃から保育士の労働環境に関する意見を聞き、検討・話し合いを行うことが重要です。
意見を聞き出す際に、労働環境に関する不満を話すと保育園から不当な扱いを受けるかもしれないと考えてなかなか話し出せない保育士もいます。
匿名で意見を集める配慮も大切になります。
ストライキは言い換えれば、労働者の最終手段です。
労働者の力だけではどうにもならないことに抵抗するために行われます。
そのため、ストライキを起こさせないために職場での立場や権力で圧力をかけるのは労働者の不満を溜めることに繋がり、逆効果となります。
まとめ
ストライキは労働者の意識や産業構造の変化等によって、年々減少傾向にあります。さらに、会社が自分に合わなければ転職するという流れも強まっています。
そんな中、わざわざ大変なストライキを起こすということは、環境が良くなればまだ働いていたいと思っている社員だとも考えられます。それは保育士も例外ではありません。
労働環境の改善は悪いことではありません。よりよい保育環境を目指すのなら、ストライキの声もご一考しましょう。
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