手ぶら登園保育コラム

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もしものために!保育士の賠償責任保険に入会しよう

もしものために!保育士の賠償責任保険に入会しよう

「保育中に子どもが滑り台から落ちて足を引きずっている」
「間違えてアレルギー成分が入った食品を食べさせてしまった」

こうした事例を経験したり、耳にしたりする保育士も多いのではないでしょうか。

保育中の怪我や事故は、本来あってはならないことですが子どもの行動は予測不可能。
なにが起こるかわからず、気をつけていても100%防ぐことは難しいですよね。

今回は、こうした「もしものとき」に役立つ賠償責任保険について紹介します。

保育士賠償責任保険とは?

保育士賠償責任保険とは、保育中に起きた事故やトラブルにおいて保護者などの第3者から損害賠償を請求された際、損害に対する保険金を支払ってもらえる制度です。

一般社団法人 保育士協会に入会することで保険も自動的に付帯されます。

保育園では0~5歳の子どもの命を預かるので、責任は重大です。
一人ひとりの園児をケガや病気、集団感染から守らなければなりません。

しかし、配慮をしていても100%防ぐことは非常に難しいのが現状。

擦り傷のように小さなケガだけでなく、骨折や窒息といった保育士1人で補いきれない事故も起こり得ますね。
こうした万が一のときに備え、賠償責任保険に加入しておくと安心です。

※保育士賠償責任保険は、保険会社である損保ジャパンと連携して運営されています。

日本保育士協会とは?

日本保育士協会とは、

子どもの健やかな成長を願い、保育士の福祉の増進、保育士の職業倫理の高揚、保育に関する調査・研究による保育士の資質向上ならびに社会的地位の向上に努め、保育の健全な発展を図ることを目的に設立した法人です。

引用:一般社団法人 日本保育士協会

入会資格は?

原則として、社会福祉法人の運営する保育園や認定こども園で勤務する保育士であれば入会できます。
非常勤の場合も同様。保育士資格があれば入会できます。

1年ごとに入会手続きが必要ですが、加入していれば転職や休職からの復職の際にも安心ですね。

ただし、下記に該当する人は入会できません。

  • 保育園で勤務しているが保育士資格を有していない人
  • 社会福祉法人以外の保育所(園)で勤務する保育士

たとえば、保育士補助や保育園で働く看護師・調理師・事務員といった保育士以外の人は、加入できないので注意が必要です。

保険のみの加入はできる?

保険のみの加入はできません。

日本保育士協会に加入し、年会費2000円を支払うことが条件とされています。

年会費のなかに保険料も含まれているため、決して高額ではないでしょう。
もしもに備えて加入することをおすすめします。

会員期間は毎年4月1日から1年間。期間の途中での入会・退会も可能となっています。

途中入会の際は、手続きの時期によって年会費が変わってくるので確認しましょう。

保育士賠償責任保険の補償内容は?

保育士賠償責任保険は、対人賠償や対物賠償、人格権侵害や初期対応費用などが補償内容となります。

ただし、原則として「保育中に起こった事故」です。

仮に通勤途中に事故を起こした場合などは、保険の対象とはなりません。

どのような事故が対象になるのか、順にみていきましょう。

対人賠償

対人賠償は、保育中に保育士が園児に怪我を負わせる、不慮の事故を起こしたなどの場合に適用されます。

事故の例

  • 食品アレルギーを持っている子どもに誤ってアレルギー物質を含む食品を食べさせてしまった
  • 園児がおもちゃを誤飲し呼吸停止。一命はとりとめたが、後遺症が残ってしまった
  • 戸外あそび中、子どもが遊具から落ちて骨折してしまった
  • 保育園のプールでおぼれて呼吸困難になった
  • 園児の体調不良を聞いていたにも関わらず、無理に運動させたため園児が心臓発作を起こして死亡してしまった

園児に後遺症が残ってしまった、死亡してしまったケースでも適用されます。

対物賠償

対物賠償は、保育中に施設や地域の財物に損害を与えてしまった場合などに適用されます。

事故の例

  • 園庭でボールあそびをしていたところ、ボールがフェンスを越えて駐車中の車に当たり、損傷してしまった
  • 公民館で活動中、壁に穴があいてしまった
  • イベント見学時、出品されていた備品を園児が壊してしまった

損傷の度合いなどにもより、作業や生活に支障をきたさない場合は対象外となる事例もあるため、確認が必要です。

人格権侵害

人格権侵害は、個人情報を漏らしたり、園児や保護者の名誉毀損に関わる事故を起こした場合に適用されます。

  • 園児や保護者の個人的な情報を外部の人に話してしまった
  • 個人情報が載っているファイルを外部に持ち出した
  • 園児の顔が載った写真をWeb上に公開して保護者に訴えられた

独自のホームページを立ち上げている保育園も増えてきました。

子どもたちがあそんでいる様子を写真に映し、Web上に公開することもありますね。
保護者に確認をとり了承を得ている園が多いですが、なかには子どもの写真を載せてほしくないという保護者もいます。

確認しているつもりでも、後ろの方にうっすら映りこんでいるケースも…。
ケガや事故も一大事ですが、個人情報の流出も注意しましょう。

初期対応費用

初期対応費用は、事故時に初動対応を行った場合に適用されます。

  • 事故などの現場保存費用、写真撮影費用など
  • 事故などの原因調査費用
  • 現場の片づけまたは清掃費用

そのほか「対人見舞費用」の適用もあります。

対人見舞い費用は、事故などにより身体に障がいや後遺症が発生した人に対して慣習として支出した見舞金や見舞品、弔慰金の購入費用をいいます。

保険金額

引用元:一般社団法人日本保育士協会公式サイト

対人・対物・人格権侵害を含む賠償責任の保険金額は1事故1億円となっています。

初期対応費用や対人見舞費用の保険金額は、期間中500万円です。

日本保育士協会の入会資格がないときは?

保育園で勤務していても、協会への入会資格がないために賠償責任保険を受けられないとなると、不安に感じますよね。

しかし、保育士個人が加入できる賠償保険は、現在これ以外にはありません。
また、保育士個人でも賠償責任保険に加入している人はそれ程多くいません。

解決策となるのが、施設管理者賠償責任保険です。

この保険は保育士個人ではなく、管理者へ向けた保険であり、園内で起きた事故などの際に補償されます。

たとえば、保育室内にある用具や園庭の遊具などの不備によっても事故は起こり得ますよね。
園内で起きた事故全般を補償してくれるのが、施設管理者賠償責任保険です。

保育士の不注意によって起きてしまった事故にも対応しているので加入していると安心できるでしょう。

施設長がどのような保険に加入しているのかを確認することも大切なことのひとつです。

まとめ

子どもの命を預かる保育士の責任は重大です。

保育士ひとりひとりが十分に意識して、日頃から保育を行うことを忘れてはいけません。とはいえ、防ぎきれないことがあるのも事実ではないでしょうか。

振り向いた瞬間やちょっと目を離した隙など、一瞬のできごとで起こってしまう事故も多いものです。

自分自身の身を守るためにも、この機会に保険への加入も視野に入れてみてもいいかもしれませんね。

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