手ぶら登園保育コラム

保育園の運営に役立つ情報を発信

鹿児島県枕崎市の手ぶら登園事例〜自治体からのおむつ給付事業として活用~

子育て支援に積極的に取り組む、鹿児島県枕崎市。同市が子育て世帯向けの補助事業として、今回新たに取り入れたのがおむつのサブスク『手ぶら登園』でした。自治体から市内全ての認可保育施設を利用する保護者に対して費用を補助するのは、全国で初めての取り組みになります。

2022年4月から市内全ての私立保育施設(7園)にBABYJOBの『手ぶら登園』が本格導入され、保育施設に通う保護者は、枕崎市からの補助により無償でサービスを利用することができるようになりました。

同市の子育て支援の考え方、そして『手ぶら登園』導入の背景を、福祉課 福永さんと寺園さんに聞いていきます。

枕崎市の子育て支援施策について、特徴的な取り組みを教えてください

近年の取り組みとしては、コロナ禍における助成措置として行っている、新生児への給付金事業です。これは2020年に国が国民一人あたり10万円を支給した特別定額給付金の対象外になった、2020年4月28日以降に産まれた新生児に対する取り組みになります。

内容としては新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、対象者に対して一人あたり5万円分の商品券を給付しています。この事業は、2021年度以降も市の単独事業として継続し、商品券とあわせて子育て支援を行うNPO法人が手作りをした木製の時計をプレゼントしています。

また、今年度からは保育料の見直しを行い、国が定める基準額の半分を市が助成し、保護者の経済的な負担を軽減できるように取り組んでいます。

さらに、「手ぶら登園」を活用したおむつ給付事業を開始し、保護者に対してさらなる経済的な負担軽減、そして保護者と保育士の身体的な負担軽減を図っているところです。

なお、本事業の給付対象は、幼児・保育無償化の対象外となる0~2歳児を対象に行う事業になります。

手ぶら登園を選んだきっかけを教えてください

子育て支援施策を考える中で、経済的・身体的な負担の軽減ができる施策がないかを模索していたところ、渋谷区が全公立保育施設を対象におむつのサブスクの実証実験を実施することを知りまして、そこで初めて手ぶら登園の存在を知りました。

そして、私(福永)の前任者からも「保育施設に通う保護者から、おむつに名前を書いて持っていくのは大変だという声があった」と聞いていたので、大変興味を持ちました。

なぜ自治体からの補助事業として「手ぶら登園の無償提供」もしくは「現金給付」という仕組みにされたのですか?

以前枕崎市では、子どもの子育てに関する調査を市民に対して行ったことがあります。その中で「経済的な支援を求める声」が多くありました。

ただ、単なる経済的なばら撒きではなく、子育て支援を実感していただく施策が何かないかを考えたところ、おむつの給付にたどり着きました。おむつの給付は、直接的に子育てに関係する部分だと思いますので。

当初はこの補助事業は、手ぶら登園のサービスを提供することに重きをおいて話を進めていましたが、すべての子育て世帯の負担を軽減させるという点を踏まえて考えた結果、手ぶら登園が提供するおむつ以外を使用する世帯に対しては現金の給付を行おうということになりました。

課内では手ぶら登園の導入までどのように進められたのでしょうか

まずは、私(寺園)の方で手ぶら登園について色々調べさせていただきました。そして手ぶら登園の営業の方にも「役所の仕組みの中でどのように実施が出来るのか」を相談させていただき、検討を進めていました。

また、このサービスを実施するにあたっては、保育施設側の理解が必要になるため、次の動きとして園に対してサービスの説明を行いました。

その時点で保育施設側からは、ある程度賛成をしていただけたので、「じゃあ進めましょうか。」という流れになりました。特に課内でも反対はなく、逆に導入しないという方向性がなかったように感じます。

最初に保育施設へ説明をしたとき、どのような反応でしたか?

枕崎市には7つの保育施設があるのですが、そのうち1つか2つの施設はすでに手ぶら登園を知っていて、そのような園は「手ぶら登園を導入するの?」と、すごく前向きな反応でした。

また、具体的な反応として「おむつの管理を個別にしなくていいというのは本当に助かります」や「おしりふきまで付いてくるのは嬉しい」など、様々ありました。

あとは、7施設のうち何園かはまだ使用済みの紙おむつを保護者に持って帰ってもらっていたので、園での廃棄に変更していただく必要があることもお伝えしました。こちらに関しても、特に問題なく進められました。

導入をするにあたっては、特に大きなハードルはありませんでしたが、おむつの種類だけが少し気になるところでしたね。ただ、先ほどお話したように手ぶら登園を使わない人には現金の給付をするという形にしたので、その部分も問題なく進めることができました。

手ぶら登園に期待をすることがあれば教えてください

子どもが減少していく中で、子育て支援は非常に大事な施策となっていくと思っています。特に経済的軽減を図ることですね。私達が保育施設等に子どもを預けやすい環境にしていければ、保護者は働きやすくなると思うので、街の活性化に繋がります。今回のサービスの導入が「子育てしやすい枕崎」に定着する一助になればと考えております。

まとめ

今回は、枕崎市の福祉課にインタビューを実施しました。子育て支援を積極的に取り組む枕崎市。『手ぶら登園』の導入をきっかけに、保育施設での子育て支援がさらに進むことを期待します。

保護者・保育士の「時間と気持ちのゆとり」を創出するために、『手ぶら登園』のような支援サービスを前向きにご検討いただけたら幸いです。

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