手ぶら登園保育コラム

保育園の運営に役立つ情報を発信

枚方市が『手ぶら登園』実証実験〜紙おむつの持ち帰り廃止に続けて、おむつのサブスクをテスト導入〜

大阪府枚方市の公立保育園手ぶら登園導入事例

公立保育所における「使用済み紙おむつの持ち帰り」を廃止するなど、保護者・保育士の支援に取り組んでいる大阪府枚方市。2022年3月には、子育て支援および住民サービスの向上を目指し、おむつのサブスクリプションサービス『手ぶら登園』を運営するBABY JOB株式会社と子育て支援連携協定を結びました。

この協定による取り組みの第一弾として、2022年5月より2か月間、枚方市の全公立保育所等(16園)や私立保育所(園)、認定こども園、小規模保育事業実施施設などで『手ぶら登園』のテスト導入が行われています。

さまざまな園でのテスト導入に踏み切った理由を、枚方市子ども未来部の菊地さん、松下さん、小山さんに伺いました。

枚方市の子育て支援施策について、特徴的な取り組みを教えてください。

枚方市には、公立幼稚園の空き教室を小規模保育施設として運営し、1〜5歳児までが利用できるようにした「枚方版子ども園」が4園あります。2021年10月からは、この幼稚園についても給食の導入を一部でモデル実施しており、2022年10月から4園すべてでの本格的な導入を予定しています。

他にも、第1子の年齢や所得の制限なく第2子以降の保育料の無償化を行うなど、子育て世帯の負担を軽減するための施策に取り組んでいます。

また近年は、通年での待機児童の解消にも力を注いできました。例えば、年度途中でお子さんが生まれた方や転入してきた方が利用できるよう、使わなくなった公立幼稚園を、一時的に保育を受けられる「臨時保育室」として展開しています。これと両輪で、就労応援型預かり保育も2021年から始めました。

一方で待機児童問題は、少子化が進むなかで年々解消されていく予測もあり、実際にエリアによってはその傾向が見られ始めています。保育所への入所希望者数が定員を下回る事態も想定し、今後は新たな方を枚方市に呼び込んでいくことも必要になるでしょう。子育てしやすい環境を幅広く整えながら、定住促進にも取り組んでいきたいと考えています。

『手ぶら登園』を知ったきっかけを教えてください。

枚方市では2020年から公民連携を意識しており、共通の課題について、民間の事業者とWin-Winの関係でさまざまな取り組みを進めています。子ども未来部としては公立保育所での「紙おむつ持ち帰り」の廃止を検討していた昨年、公民連携の窓口となっている政策推進課を通じて、おむつに関するサービスを行っているBABY JOBさんの存在を知りました。

BABY JOBさんは『保育園からおむつの持ち帰りをなくす会』の運営事務局もされています。また、さまざまなメディアを通じて、同社が運営する『手ぶら登園』のサービス内容や実際に取り入れている自治体の事例についても情報を発信されていたことから、このサービスを知る機会がありました。

最初に「使用済み紙おむつの持ち帰り」を廃止したのはなぜでしょうか?

衛生面での課題もありましたが、やはり保護者の方からの要望が多かったことと、園内でのおむつの管理が大変だったことが大きかったことです。

他の子のおむつを間違って持ち帰らないために、書かれた名前を1つひとつ確認して、個人のボックスに入れていく作業にかなりの時間を要していました。

これらを踏まえて2022年4月から、保護者と保育士両者の負担を軽減するために、全公立保育所等で「使用済み紙おむつの持ち帰り」を廃止しました。

『手ぶら登園』のテスト導入を決めた理由は何でしたか?

「実証実験というスキームで試せる」という点が、一番大きかったです。

最初から本格的に導入してしまうと、サービス内容が実際の現場のニーズと少し違っていた場合に、行政としてやめるタイミングの判断が難しくなってしまうことがあります。

正直なところ、おむつの定額利用サービスについて、枚方市にお住まいの保護者にどれほどのニーズがあるかは「試してみないとわからない」部分がありました。

そんななか、テスト導入の実施費用を負担していただけて、実際に試してから継続するか判断できるスキームは、非常に取り組みやすくありがたかったです。今回の実験を、保護者のニーズをつかむ1つの機会にしたいと考えています。

また検討時には、既に『手ぶら登園』を導入している市内の私立保育所(園)や他の自治体にも話を聞き、参考にしました。テレビで偶然、BABY JOBの上野代表が『手ぶら登園』にこめた想いを話しているのを見て知っていたことも、テスト導入決定の後押しになりましたね。

『手ぶら登園』サービスに期待していることを教えてください。

登園の前夜におむつに名前を書いたり朝持っていく荷物を準備したりといった、保護者の負担軽減を期待しています。

また、これまでは保育所のお迎え時にその日使ったおむつの枚数を保護者が把握し、不足しないタイミングで持ってきていただいていました。

もし足りなくなった場合は園でおむつをお貸ししていたのですが、そういった貸し借りの手間や、補充のための催促もなくなります。これは保護者だけでなく、保育士の負担軽減にもつながると思います。

サービスについてあえて希望を言うなら、サイズごとの違いや、市販のおむつではないことが一目で違いがわかるようになると、さらに保育士の作業負担が軽減できそうですね。

枚方市としては、今回の『手ぶら登園』のテスト導入をきっかけに、子育て世代の方に「あ、枚方ってこんな子育て施策やってるんや」と少しでも知ってもらえたら嬉しいです。

まとめ

新サービス導入という慎重になる局面において、実際に利用し、その成果を見て本格導入の可否を判断いただく実証実験が「取り組みやすい」と評価いただきました。

実際に利用してみることで、初めて本当のニーズに気がつくこともあるはずです。枚方市のように、まずは保護者・保育士のニーズを知る機会としての『手ぶら登園』活用も、一度検討してみてはどうでしょうか。

(構成:佐々木優樹)

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