保育園でのモンテッソーリ教育|特徴とメリット・デメリットを紹介
「モンテッソーリ教育という名前を聞いたことがあるけれど、どんな内容かわからない」「普通の保育と何が違うの?」と疑問を感じている人もいるでしょう。
欧米でブームが起き、日本でも徐々に増えてきたモンテッソーリ教育とは、一体どのような教育方法なのでしょうか。
今回は、モンテッソーリ教育の特徴と、メリット・デメリットをご紹介します。子どもがのびのびと成長できる環境を整え、それぞれの個性を伸ばしていきましょう。
保育園で話題のモンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育とは、イタリアで初めての女性医師であり、教育家でもあったマリア・モンテッソーリが考えた教育方法です。
モンテッソーリ教育の目的は「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢をもった人間に育てる」こと。
子どもたちが自分で考えて行動できるような環境を整えたり、「教具」と呼ばれる専用のおもちゃを使ってやりたいことを自由にする時間を作ったりすることが特徴です。
引用:日本モンテッソーリ教育綜合研究所「モンテッソーリ教育について」
保育園でのモンテッソーリ教育の特徴
モンテッソーリ教育を取り入れた保育園では、普通の保育園とは違う取り組みを行うため、保育士にとっても学びが多くなります。ここからは、モンテッソーリ教育の特徴を4つご紹介します。
異年齢混合の縦割りクラス
一般的な保育園は、子どもたちを年齢ごとのクラスに分けます。しかしモンテッソーリ教育では、「縦割りクラス」と言って、2~5歳児が1つのクラスで一緒に生活することが特徴です。
0~1歳児は社会性が未発達のため、他の年齢の子どもと一緒に活動することは難しいですそのため、縦割りクラスは基本的に2歳ぐらいから上の子どもたちで行います。
年齢の違う子どもと一緒に生活することで、年下の子に優しくしたり、年上の子のまねをしたりすることが可能です。クラスの全員がお互いに成長しあえる環境がモンテッソーリ教育にはあります。
おしごとの時間がある
モンテッソーリ教育の保育には「おしごと」の時間があることも特徴です。おしごとと言っても働かせたり無理にやりたくないことをさせたりするわけではなく、自分のやりたいことに没頭する時間を「おしごとの時間」と呼びます。
モンテッソーリ教育を採用した保育園では、1日の中で1~3時間おしごとの時間を設け、その間子どもたちは自分のやりたいことに取り組みます。おしごとは1人で黙々と取り組むのが基本です。
ずっと1人で取り組んでいると、コミュニケーション能力が育たないと懸念する人もいるかもしれません。しかし、コミュニケーション能力や観察力などを養うために、集団行動をする時間も別に設けられているので大丈夫です。
子どもはおしごとの時間に自分のやりたいことをやれるため、好奇心旺盛になり、集中力も高まります。
行事にかける時間が少ない
普通の保育園では、七夕や夏祭り、花火、お月見、ハロウィン、運動会、クリスマス、節分などさまざまな行事があり、準備期間を必ず設けます。一方モンテッソーリ教育では、行事にかける時間が少ないことが特徴です。
その理由は、特別な日よりも毎日の何気ない日常を大切にしたいと思っているから。何気ない毎日の中で、子ども自身が動いて気づき、個性を伸ばしていけるような保育を目指しているのです。
教具を使う
モンテッソーリ教育では「教具」と呼ばれる独自のおもちゃを使用します。教具とは、パッと見た感じは普通のおもちゃに見えますが、子どもたちが自分自身で成長しやすいように設計されたおもちゃです。
教具の種類は、シール貼りや紐とおし、円柱さし、積み木、絵合わせ、算数棒、日本地図パズルなどさまざま。このようにモンテッソーリ教育では、普通のおもちゃとは違い、発達段階に合わせた教具を使うことが特徴です。
モンテッソーリ教育のおしごと内容
おしごとの時間は自分で選んだ教具を使って、やりたいことをどんどんやっていきます。誰にも邪魔されることなく、やりたいようにできるので、自発性が培われていくでしょう。
ここからは、モンテッソーリ教育の5つのおしごと内容をご紹介します。
日常生活の練習
机を拭く、洗濯物を畳む、ボタンをかけるなど、日常生活で必要な動作を練習します。このときのポイントは、本物を使うということです。花瓶に水を入れる場合、一般的な保育園では落としても割れないようなプラスチックの花瓶を使います。
しかしモンテッソーリ教育ではありのままの素材で練習を行うため、ガラス素材のものはガラスのまま使うのが基本です。
日常生活の練習と言うと、0歳児は何もできないと思われがちですが、0歳児でも、ものを掴むといった簡単なおしごとが用意されています。
感覚教育
感覚教育とは、ものの見え方や考え方を学んでいく練習です。「長い・短い」「重い・軽い」といった抽象的な感覚を、目に見えるようにして理解していきます。
例えば、感覚教育に使われる「円柱さし」という教具は、正しい穴に正しい円柱をさしていくというもの。同じ素材の円柱でも、長さや重さ、穴の大きさの違いによって、はまる場所が変わります。
感覚教育を続けるほど、ものの見え方がわかり、迷うことなく正しい穴に正しい円柱をさすことができるようになるでしょう。また、綺麗に正しい穴にはまったときの感覚が良いのも、円柱さしという教具の魅力の1つです。
言語教育
言語教育とは、絵や文字の書いてあるカードを使って文章力を高めていくことです。最初は絵を見てものの名前を覚えることから始めます。その後、文字カードと絵のカードを照らし合わせて、ものの名前を一致させていきましょう。
最終的には、文字カードのみで文章を作れるようになります。ものの名前だけでなく、単語と単語をつなぐ「て・に・を・は」も早いうちから覚えられることが特徴です。
算数教育
算数教育とは、銀行ごっこや両替遊びをとおして、数の概念を学ぶことです。1個のビーズを10個集めると棒状のビーズに、棒状のビーズを10個集めるとビーズ板に変わるというように、ビーズの数を増やしながら両替をしていきます。
数字にすることで、抽象的なものを論理的に捉えられるようになるはずです。
文化教育
文化教育とは、歴史や文化、星座、音楽、美術など文化的要素を含むものを学ぶことです。
世界地図や日本地図のパズルが教具になります。
社会や理科の基礎を早い段階から学ぶことができるので、小学生になる頃には、さらに好奇心旺盛になっているでしょう。文化に興味を持った子どもが、将来学者やクリエイターになることもあるかもしれません。
モンテッソーリ教育のメリット
モンテッソーリ教育には、普通の保育園にはないさまざまな取り組みがありました。一番のメリットとしては、やはり「子どもの個性を伸ばせる」ということです。
自分で考え、取り組む練習を日常的に行なうことで、子どもたちの個性を伸ばす教育を目指しています。
また、モンテッソーリ教育を行うことで、以下のような精神的成長も見られるでしょう。
- 自主性や積極性が高まる
- 集中力が高まる
- 精神状態が安定する
モンテッソーリ教育のデメリット
モンテッソーリ教育は、子どもたちの個性を大切にしているため、どうしても「集団行動が苦手になりやすい」ことがデメリットとして挙げられます。
ただし、もともとの気質の影響もあるため、全員が集団行動が苦手になるわけではありません。また他にも、以下のような点がデメリットと捉えられることがあります。
- 協調性に欠ける
- 運動量が少なくなる
- 大人びてしまう
まとめ
今回は、保育園でのモンテッソーリ教育についてご紹介しました。子どもの頃は、やりたいという気持ちを尊重し、子どもの個性を伸ばし続けることが大切です。
大人になってから、やりたいことをやらずに後悔することはたくさんあったと思います。小さい頃から自主性を高め、やりたいという気持ちを大切にすることで、自分らしく幸せな人生を送りやすくなるはずです。
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