手ぶら登園保育コラム

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保育のヒヤリハットは重要!起きやすい事例や対策も紹介

保育中、ヒヤリハットを経験したことがある保育士は多いのではないでしょうか。子どもの動きは予測が難しく、「そんなことをするとは思ってなかった!」という出来事もよく起こります。

数多くのヒヤリハットが潜んでいる保育の現場ですが、そのまま放置していると将来大きなトラブルになりかねません。そこで今回は、保育現場で起こりやすいヒヤリハットの事例や対策を紹介します。

保育の現場で起こるヒヤリハットとは

ヒヤリハットとは、ヒヤッとしたことやハッとしたことを指します。重大な事故やトラブルには至らなかったものの、一歩間違えばそのような事態に陥っていた状態です。保育現場でも経験したことがある人は多いのではないでしょうか。

実際には事故につながらなかったとはいえ、そのまま放置しておけばいつか大きなトラブル・事故につながりかねません。気付いた時点で速やかに園内に共有し、対策を検討していく必要があります。

ヒヤリハットの事例【園内】

保育のヒヤリハットには、小さなものから一歩間違うと命に関わる危険なものまで、さまざまなものが挙げられます。まずは園内で起こりうるヒヤリハットを見ていきましょう。

転倒・転落

  • 走っていて転びそうになった
  • 物につまずき転びそうになった
  • 階段を踏み外しそうになった

足を滑らせて転びそうになる、遊具から落ちそうになる事例は多く起こりえます。子どもたちは元気いっぱいなので、どれも十分起こりえますし、対策をしておかないと実際に事故につながりかねません。

また、友だち同士で手をつないで走っていた際に、ひとりが転倒。引っ張られる形で、もうひとりも転倒した、といった事故が起きることも想定できるでしょう。

日頃から子どもから目を離さない、保育士間で立ち位置を決めるなどの対策を行うことで、こうした事故を減らすことができます。

衝突

  • 追いかけっこ中に友だちとぶつかりそうになった
  • 壁に衝突しそうになった
  • 顔を上げた際に棚に頭がぶつかりそうになった

振り向いたときに間近に友だちがいて、ぶつかりそうになったという事例も多くあります。夢中になって遊んでいる子どもは、周囲が見えなくなってしまうものです。

また、顔を上げた際に棚に頭をぶつけそうになった、という物にぶつかりそうになるケースも少なくありません。実際に事故が起こってしまえば、鼻血が出たり前歯が欠けたりする可能性もあります。

そのため、保育室の机やロッカー、備品など角の尖ったものがないかを事前に確認し、万が一当たってしまっても大怪我にならないように、コーナーガードを設置するなどの対策をしておきましょう。

おもちゃなどの誤飲

  • 小さなおもちゃやビーズが子どもの近くに落ちていた
  • ヘアゴムを口に入れそうになった

0~1歳児はなんでも口に入れてしまうため、ビーズなどの細かいおもちゃや、おもちゃの部品などを誤飲・誤嚥する恐れがあります。おもちゃの片付けや場所決めが徹底されていないと、このような事例も起こりえます。

誤飲や誤嚥は、窒息にも関わる危険な事故です。細かいおもちゃや備品は、子どもの手の届かない場所に置くなどルールを決めておきましょう。対策を考えるときには、子どもの目線でチェックすることが大事です。

午睡中

  • うつぶせになっていた
  • 毛布が顔にかかりそうなほど上に上がっていた

「乳幼児突然死症候群」という言葉も広く知られるようになり、うつぶせ寝の姿勢を仰向けにする、ブレスチェックをするなどの対策を行っている園も多いのではないでしょうか。

眠る体勢だけでなく、掛け布団やタオルケットが呼吸の妨げになるケースもあります。事故は活動中だけではなく、睡眠時にも起こり得ることを認識しておき、定期的に睡眠チェックを行うことが重要です。

食物アレルギー

  • アレルギーの子どもにアレルギー成分の入った食品を配膳しそうになった
  • 友だちがアレルギー成分の入ったおやつをあげようとしていた

食物アレルギーもまた、命に関わる危険な事故につながりかねません。配膳方法を徹底する、食物アレルギーの子どもの情報をスタッフ全員で共有するなど、何人もの大人の目でチェックすることを意識しましょう。

また、友だちがアレルギー成分の入ったおやつを分けてあげようとするケースも見られます。子どもたち自身に悪意はありませんが、命に関わる問題なので、子どもの動きに注意しながら援助することも必要です。

プールや水遊び

  • プール内で足を滑らせそうになった
  • プールの周りを歩き回り、転びそうになった

プール遊びでは、特別感から子どもたちの気持ちも高ぶっていることが多く、濡れている地面で足を滑らせて転倒してしまう事故が起きています。
水圧や勢いで体のバランスが取りづらくなり、プール内で転びそうになるシーンも珍しくありません。

また、0~1歳児に関しては、ビニールプールに張ったごく少量の水でも事故が起きる恐れがあります。「目を離したすき」が非常に危険なのです。水遊びやプール遊び中には、普段よりさらに子どもの行動に注意しましょう。

やけど

  • ファンヒーターなど熱いものが子どもの手の届く範囲にあった
  • クッキング中、ホットプレートを触りそうになった

最近では、保育園でもエアコンが普及してきていますが、さまざまな事情からファンヒーターを使用している園もあるでしょう。

大人と子どもの目線の高さは違うため、子どもの目線で確認して、触れないように柵で囲むなどの安全対策を行っていきましょう。

ヒヤリハットの事例【園外】

ヒヤリハットは保育園内だけではなく、戸外活動時にも起こり得ます。

散歩中

  • つないでいた手を離して飛び出しそうになった
  • 散歩中の犬に近づきすぎた
  • 自転車とぶつかりそうになった

公道を歩く散歩には、ヒヤリハットが多く潜んでいます。急に走りだしたり、距離感をつかめず犬や猫に近づきすぎたり、溝に落ちそうになったりなど、子どもは大人がしないような行動を多く取るからです。

散歩中の事故を防ぐためにも、できるだけ交通量の少ない散歩コースを選んだり、付き添いの保育士を複数人確保したりして、徹底した対策をして出かけるようにしましょう。

公園

  • ブランコの留め具が外れかけていた
  • 落ちていたたばこに触りそうになった
  • 鳥が公園の木に巣を作っており、子どもや保育士を攻撃しようとしてきた

公園の遊具は、市が定期的に点検を行っています。とはいえ、劣化した金属部品が外れかけていた、欠けた木片が落ちていたなどが原因で、子どもが怪我をする可能性は否定できません。

外遊びに使う公園は、あらかじめ遊具のチェックを行う方がよいでしょう。その上で、危険がありそうな場合は場所を変えたり、「この遊具は危ないから使わないでね」と使用中止を子どもに伝えたりして、事故を未然に防ぐことが大切です。

不審者

  • 散歩中、知らない人が後ろをずっとついてきている
  • 不審な人物が近づいてきた

不審者に遭遇する場合もあります。散歩中に突然声をかけられたり、後ろをついて回られたりすると、大人でも怖いものです。

不審者に遭遇すると、子どもが恐怖を感じるだけでなく事件につながる可能性もあるので、防犯ブザーを携帯する、人通りの少なすぎる道は避けるなどの対策を考えておきましょう

保育現場でヒヤリハットが発生したときに押さえておきたいポイント

ヒヤリハットは、記録するだけでは意味がありません。「ここが危険だった」「子どもの〇〇の行動にヒヤッとした」と報告・共有し、園全体で協力して対策を取ることが重要です。
この章ではポイントを3つ紹介します。

保育士同士で報告・共有する

ヒヤリハットを体験したら、保育士同士で報告・共有することが重要です。危険性を共有すると、他の職員もどこに注意すべきかがわかるため、事故を減らすことができます。

保育園には、正規職員以外に、早朝パートや臨時職員などが勤務している場合が多いです。そうした非正規の職員にも、注意してほしいところやヒヤリハットの報告などを行い、共通認識にしておきましょう。

「子どもにとって危険か」を判断基準にする

子どもの目線になって考えてみましょう。保育士目線のみだと、「危険」と捉えることができず見落としてしまうことがあるからです。

「あの子ならどうするかな」「私が子どもだったら、どうするかな」と、子どもの目線で考えてみることで「危険かもしれない」と気付くことができます。ヒヤリハットを考える際は、子どもを基準にしましょう。

過去のヒヤリハット事例も確認しておく

園内で起こったヒヤリハットは、必ず記録して後から確認できるようにしておきましょう。なぜなら、過去の記録から起こり得る危険をあらかじめ予測し、事前に対策を打てるからです。

ヒヤリハットは、大きな事故を未然に防ぐ対策として重要な項目。「自分に関係ない」「自分のクラスで起きた出来事ではない」と無関心でいるのではなく、積極的に確認をして役立てていきましょう。

そのためにも、ヒヤリハットが書かれた書類は、いつでも確認できるように見やすい場所に設置しておくことが大事です。

まとめ

子どもの動きは予想しづらく、保育現場にはヒヤリハットが数多く存在しています。元気いっぱいの子どもにとって小さな怪我はつきものですが、一歩間違えば命に関わる重大な事故につながる危険も潜んでいるのです。

大きな事故を未然に防ぐために、ヒヤリハットを報告し合うのは重要です。普段から注意深く子どもの行動を観察したり、保育士同士で共有したりして、事故を防いでいきましょう。

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