手ぶら登園保育コラム

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保育士や保育施設向けの補助金制度を紹介|給付条件も解説

保育士の給料が上がる!?知っておきたい補助金制度

子どもの健やかな成長には保育士の存在が欠かせませんが、給与が低いことによる保育士の離職率の高さが問題になっています。この給与の低さを補う手段の1つが、保育施設や保育士に対する補助金制度です。

この記事では、ICT化や家賃補助などの保育施設が利用できる各種補助金をはじめ、保育士の就労支援などの補助金制度を紹介します。この記事を参考に、補助金制度を上手に活用してください。

保育施設向けの補助金とは

少子化や待機児童の増加など、問題視されている保育の課題を解決するために、国や地域が保育施設へ補助金を給付する制度があります。

補助金を給付することによって、現場の労働環境の改善や業務の効率化が見込め、結果として保育士が増え、少子化や待機児童の増加などの問題に寄与しています。

保育施設向けの補助金には様々な種類がありますが、
「自分の園がどのような補助金の対象になっているのか」
「どれくらいの補助金を受け取れるのか」
ということが分からないという方も多いと思います。

そこで、本記事では補助金の種類や、補助金を受け取れる条件を解説します。

保育施設が利用できる補助金

保育所等におけるICT化推進事業補助金

園のICT化によって発生する費用を支援する補助金です。近年ICTシステムを導入することにより、業務効率化を図る園が増えており、今後この補助金はますます利用されるようになるでしょう。

保育の記録や園児の登降園管理、保護者との連絡などの機能を搭載した保育業務支援システムを導入した場合、その費用の一部が助成されます。

実施主体が都道府県や市区町村なので、自治体によって補助上限額や補助率が異なります。また、自治体によっては、保育業務支援システムだけでなく外国籍の子どもの保護者とやり取りするための翻訳機にも補助金が交付されるケースがあるので、自治体の保育主管部所へ問い合わせることをおすすめします。

たとえば、横浜市の場合、保育業務支援システムの導入の補助上限額が75万円、補助率は3/4です。翻訳機の導入の補助上限額は11万2,000円、補助率は3/4です。

IT導入補助金

保育施設に限定された補助金ではありませんが、園がICTシステムなどのITツールを導入する際に利用できる補助金です。以下のような分類があります。

  • 通常枠(A・B類型)
  • 低感染リスクビジネス枠(C・D類型)

前者は、文字通りITツールを導入する際の費用を一部補助し、園の業務効率化をサポートします。補助上限額はA類・B類でそれぞれ、30万円〜150万円未満・150万円〜450万円以下で、補助割合は1/2以下です。

後者は、新型コロナウイルスの感染を防ぐため、ITツールを導入する際にかかる経費の一部を補助する制度です。補助上限額は、C-1類型・C-2類型・D類型それぞれで、30万円〜300万円未満・300万円〜450万円以下・30万円〜150万円以下で、補助割合は2/3以下です。

A・B・C・D類型のうち、どの類型を申請できるかは、導入するITツールが以下の業務プロセスのうち何種類に対応しているかで決まります。

  • 顧客対応・販売支援
  • 決済・債権債務・資金回収管理
  • 調達・供給・在庫・物流
  • 会計・財務・経営
  • 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス
  • 業種固有プロセス
  • 汎用・自動化・分析ツール

類型とITツールが対応している業務プロセス数の対応は以下の通りです。

類型保有プロセス数
A1種類以上
B4種類以上
C2種類以上
D2種類以上

働き方改革推進支援助成金

こちらも保育施設に限定された補助金ではありませんが、この助成金では、保育施設でも2つのコースを利用できます。

  • 労働時間短縮・年休促進支援コース
  • 勤務間インターバル導入コース

前者は、保育士の労働時間を短縮するための取り組みや、有給休暇を積極的にとれるような職場づくりを支援する補助金です。補助上限額は440万円、補助率は75%です。

後者は、保育士が1日の勤務を終了した後、次の勤務までの時間をある程度空けやすくなる取り組みを支援する補助金です。補助上限額は340万円、補助率は75%です。

園の家賃補助を補填する補助金

保育士宿舎借り上げ支援事業

保育施設が保育士を住まわせるために借り上げた物件の家賃を全額もしくは一部補助する制度です。

保育士一人あたり月々最大82,000円の補助を受けることができますが、以下の点に注意する必要があります。

  • 金額は自治体によって異なる
  • 採用されてから10年以内の保育士のみ対象
  • 園が借り上げている指定物件に入居している保育士のみ対象

自治体の住宅支援制度

自治体が独自に設ける保育士の家賃に関する補助です。自治体によっては、保育士宿舎借り上げ支援事業の対象外の保育士でも利用できます。

補助を受けられる条件や金額は自治体によって異なるため、自治体のホームページや保育主管部所の窓口で確認することをおすすめします。

保育士のキャリア支援に関する補助金

保育従事職員資格取得支援事業補助

保育施設などに勤務もしくは勤務予定の方が、保育士資格を取得するための受講料や代替職員経費などを補助するものです。東京都が実施している制度で、保育施設などの施設を対象としています。

補助の対象となるのは、通常試験・指定保育士養成施設卒業・保育士資格取得特例制度による資格取得や、幼稚園教諭免許を活用した資格取得です。代替職員経費は1日あたり7,000円が補助されます。

保育施設にとっては、仕事を覚えてもらいながら将来的には保育士を確保できることに加えて、補助金が貰えるのは大きなメリットです。

保育士等キャリアアップ補助

保育士のキャリアアップに対する費用の一部を補助し、保育サービスの質の向上を目指す制度です。東京都が実施している制度で、人件費に対して行われる補助であり、2分の1以上を職員の賃金改善に充てることが条件になっています。

保育士は研修などによってスキルキャリアアップし、副主任やリーダーなどの役職になれば給料アップにつながります。

キャリアアップする、保育士を育成する、研修を開く、といったいずれの場合にもお金がかかりますが、この補助を上手く使えばコストを抑えることができます。

保育士の補助金制度

エリアごとに設定されている貸付制度や補助金制度を紹介いたします。

保育士処遇改善等加算

保育士の給与引き上げとキャリアアップを目的として、内閣府が設けた制度です。処遇改善等加算ⅠとⅡがあります。

処遇改善等加算Ⅰ

保育士の給与引き上げのための制度です。

2013年には給与の3%の支給が、2018年には給与の11%の支給が月々行われました。年々、保育士への支給額は増えており、今後の支給額の増加にも期待できます。

処遇改善等加算Ⅱ

保育士のキャリアアップのための制度です。

この制度が導入されるまで、保育士の職制階層は園長、主任保育士、保育士しかなく、限られた保育士しか役職に就くことができませんでした。しかし、あらたに副主任保育士、専門リーダー、職分野別リーダーという役職を増やすことで、多くの保育士が役職に就けるようになりました。

経験・スキルに応じて役職に就きやすくなり、園から正当な評価を受け、手当てをもらいやすくなりました。

就労支援のための補助金

保育士就職準備金貸付

保育施設への就職に必要な準備金を貸してくれる制度です。

条件や金額などの詳細は以下のとおりです。

  • 上限40万円、条件によって20万円
  • 無利子
  • 1回限りの貸付
  • 週20時間以上勤務を行う保育士
  • 指定の施設を離職して1年以上、または勤務経験がない
  • 保育士登録後もしくは保育士試験合格後1年以上経過した者
  • 2年以上継続して保育事業に従事すれば返還免除

未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付事業

子育てをしている保育士の就労を支援する制度です。

子育てにより一度離職した保育士が、1年間を限度として子どもの保育料の半額を、無利子で借りることができます。自治体が指定する勤務先に2年間勤務することで、返済が免除されます。

借りられる金額は自治体により異なります。

保育士修学資金貸付制度(貸付)

修学資金や入学準備金・就職準備金などを2年間無利子で補助される貸付制度です。

条件や金額などの詳細は以下のとおりです。

  • 保育士を養成する施設に在学
  • 保育施設への就職を希望
  • 貸付を受けた対象地域で5年間保育士業務に従事すると返還が免除される

主要都市で行われている保育士補助金支援制度

保育士不足の深刻度は自治体によって変わり、それにともなって各都道府県ごとに補助金の支援制度や補助額は異なります。

とくに保育に関する問題の深刻度が高い主要都市の補助制度について深堀りします。

都市の園に配属される可能性も低くはないので、一度確認しておくことをオススメします。

東京都の補助金支援制度

保育士修学資金貸付事業

  • 就学資金等を貸しだす制度
  • 指定保育士養成施設に通っている学生
  • 保育施設等に5年間従事すれば返還が免除

未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付事業

  • 月額27,000円まで貸す
  • 保育施設で働いている未就学児が在籍する保育士

未就学児を持つ保育士の子どもの預かり支援事業利用料金の一部貸付事業

  • 子ども預かり支援の事業利用に関する貸付制度
  • 保育施設等に勤務する保育士に料金に対し年額12万3,000円まで

大阪府の補助金支援制度

保育士修学資金貸付

  • 指定の保育士養成施設に通う学生
  • 修学資金等の貸し付け
  • 施設卒業後、府内の保育施設等で5年間保育士事業に従事すれば返還義務が免除

未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付

  • 保育施設等に勤務が決まった未就学児をもつ保育士や産休・育休から復帰する保育士
  • 保育料の一部を月額27,000円を上限貸付
  • 無利子

未就学児を持つ保育士の子どもの預かり支援事業利用料金の一部貸付

  • 保育施設等に勤務する保育士
  • 勤務時間帯に子どもの預かり支援事業等を利用料金を年額12万3,000円まで
  • 無利子

福岡県の補助金支援制度

保育士修学資金貸付

  • 指定されている保育士養成施設の学生
  • 修学金を貸す制度
  • 卒業後、福岡県内の保育施設等で5年間保育士事業に従事すれば返還義務が全額免除

未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付

  • 勤務が決まった小さな子ども(未就学児)がいる保育士の産休・育休復帰の方
  • 保育料の一部を無利子で貸し付け

未就学児を持つ保育士の子どもの預かり支援事業利用料金の一部貸付

  • 勤務時間帯に子ども預かり支援の関連サービスを利用した場合
  • 年額12万3,000円まで貸す
  • 無利子

まとめ

補助金は今後の保育士不足解消のためにも正しく認知され、使用されなければいけません。

まずは、自分の通っている園ではどのような制度の利用が可能か理解することが必要です。

自分の通う保育施設や自治体に合った補助金支援制度を探しだし、保育の質の向上も目指してどんどん活用していきましょう。

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