『手ぶら登園』が目指したい保護者と保育士を支えるサービス


『手ぶら登園』は、保護者や保育士のおむつの準備、管理の負担が軽くなるサービスです。

サービス開始以来、約410施設ですでに導入。6000名を超える子どもたちが利用しています。(2020年9月時点)

園児が使う消耗品を、定額契約でサポートする——これまで業界になかった、全く新しいサービス。それが誕生することになったきっかけや、これからどう展開していきたいかなどを、発起人であるBABY JOB株式会社代表取締役会長・上野公嗣に聞きました。

保護者の負担と苦労を減らすために

-そもそも、なぜ『手ぶら登園』を始めようと思ったのでしょうか?

保育施設に通う子どもの保護者さんは、仕事用と保育用の荷物を抱えながら我が子の手を引くので、日々相当な負担がかかっています。これをなんとか軽減したい、と考えていたんです。

登園時に必要な荷物の一つに、毎日数枚ずつ消費する「おむつ」がありました。持っていくだけでなく、事前におむつ一枚一枚に名前を書くのも大変な作業だったんですね。

そこで最初に、グループ会社で運営している「ぬくもりのおうち保育 新大阪園」で、おむつの提供サービスを始めました。保育園側でおむつを用意すれば、お母さん、お父さんたちはおむつを持っていく必要がなくなると思ったのです。

この園は認可外だったので、保育料の中におむつの代金を含めることで実現できました。

「満足度は高い」…けれど、解決したい課題もたくさん

-現在、『手ぶら登園』を利用されている保護者さんを見てどのように感じますか?

満足度は高いのでは、と感じています。サービスを利用している社員からも好評です。やはり「自分でおむつの準備をしなくてもいい」点が、お母さん、お父さんたちの負担を取り除くことにつながっているのかなと思います。

-保育園側はいかがでしょうか。

実は、こちらは全て高い満足度…とは言えないんですね。というのも、導入園になっていても、全ての保護者さんが『手ぶら登園』を利用するわけではありません。利用していない家庭も多いのです。

すると、利用しているかどうかで子どもでおむつの管理がバラバラになるので、保育士の負担が増えてしまいます。体感的に、「利用している方が全体の半数以下だと、保育士の満足度は低い」傾向にありますね。

-なるほど。この子には『手ぶら登園』のおむつ、この子には保護者さんが持ってきたおむつ…と見分けながら保育をするのは大変です。

これは、サービスの認知と理解がまだ十分ではないからだと考えています。もっと広く、たくさんの人に『手ぶら登園』のメリットを知ってもらえれば、さらに多くの保護者さんが利用してくれるはずです。それにより保育士の負担も、かなり軽減されると思っています。

-他に課題点はありますか?

まずは価格ですね。『手ぶら登園』の利用料は、おむつの定価で算出しているので、量販店のセールなどで購入したほうが安いのが現状です。

また、今の『手ぶら登園』では、おむつを何枚使っても一律の料金です。当初は使用枚数、サイズ、登園日数で価格を決めていましたが、そうすると保育士と保護者のやり取りが増えてしまい、誰も楽にならなかった。そこで、定額へと移行しました。

ですが、1日に使用する枚数が少なかったり、登園する日数が少なかったりすると、使用金額が利用料に届きません。どうしても、少し損をしてしまうご家庭が出るんです。

-子どもがどのくらい使うかは事前に分からないので、難しい問題ですね。

もう一つ、浮かび上がってきた課題があります。保育の世界には、こうしたものにかけられる予算そのものが少ないという点です。

日本は少子高齢社会なので、致し方がない部分もあるかもしれません。とはいえ、国にとってこれからの財産になっていく子どもたちですから、もっと豊かに育つような環境を整えていきたい。

そのためには、保護者さんが今背負っている負担に対して、社会がもっと投資しないといけません。『手ぶら登園』を通して、もっと社会が子育てに寄与できる仕組みを作るべきだと考えています。

みんなが笑顔になれる『手ぶら登園』を目指して

-今後、おむつ以外にサービス展開は予定していますか?

お母さん、お父さんたちが最も負担に感じているのは洗濯なんです。特に、夏になると水遊びパンツを使用しますよね。その洗濯が大変になってくる。そこで、「水遊びパンツ」の利用サービスも展開する予定です。

あとは「お布団」ですね。日々お布団を保育園に持っていく保護者さんたちの荷物を減らせるよう、レンタルサービスを始める予定です。

それぞれの実施日はまだ未定ですが、お母さん、お父さんたちの負担を軽減するために、なるべく早く実現する方向で進めています。もう少しお待ちいただければ幸いです。

-では最後に、『手ぶら登園を通して保育士さんに伝えたい言葉はありますか?

私たちとしては、「保育園を応援したいな」という強い気持ちがあります。この事業を通して、保護者だけでなく、保育士さんの負担を軽減したいんです。

保育士さんが笑顔だからこそ子どもも笑顔になる。そして、子どもの笑顔を見た保護者が笑顔になる。この流れが大切だと思っています。

まずは保育士さんが笑顔になれるようなサポートを、『手ぶら登園』を通して実現できればと考えています。

-改めて、保護者の方々へのメッセージもお願いします。

『手ぶら登園』は、「子育てで保護者さんが抱えている負担を一つでも取り除いていきたい」という気持ちでスタートしました。しかし、まだまだ現状のサービスだけでは足りないと感じています。

今は物理的な負担を軽減するサービスを展開していますが、本当はお母さん、お父さんたちにはもっと子どもと向き合う時間、家族と過ごす時間、ご自身のキャリアを考える時間をたくさん持ってほしいのです。そして、子育てを心から楽しんでもらいたい。

そのためのサービスを、今後どんどん展開していきたいと考えています。どうかその時までお待ちいただければと思います。

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